困ったことが本当は・・・・・

「ジトジトとした日本の梅雨」と言われますが、今年は大雨と上天気のせめぎ合いのような移変りですね。例年と違う天気のために、新幹線が止まったり川が氾濫したり大変ですね。

さて今回は動物の話からです。

以前から「リスは自分が埋めた木の実の2割しか覚えておらず、忘れられた8割の木の実が発芽して森を維持している。」という話は知っていたのですが、最近面白い研究発表がなされました。

アフリカの草食動物ヌーはタンザニアとケニアの間を大移動するのですが、国境にあるマラ川を渡る時に川に流され毎年6000頭が溺死しているそうです。かわいそうにと思うのですが、溺死したヌーの体は、河川の重要な栄養源になっていることが明らかになったというのです。

医学の世界でも、厄介な痛みや発熱、不整脈などの症状が実は体の不調を早期に教えてくれる大事な役割を担っていることが多いのです。ですから安易に薬で症状をとってしまうのは良い治療とは決して言えないのです。

つらい症状を歯を食いしばって我慢する必要はないのですが、症状が出るかもしれないとの不安から薬を飲み続けて症状を消してしまい、自分の状態がわからなくなってしまうのは困ったものなのです。「症状がなくて、病気もない」状態が理想ですが、「症状がなくて、病気がある」状態は病気がし悪化しても気付かないため大変危険なのです。

病院に行こうと思わせてくれたあなたの「症状」もう少し大切にしてあげてくださいね。

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女性の痛風

毎度のことですが、大阪では梅雨入りすると雨が降りませんね。(沖縄では豪雨のようですが・・・)

さて、今回は男性の病気と思われてきた「痛風」についての話題です。

「痛風」といえば、「風があたるだけで痛い」ものだそうですが、昔から中高年男性の病気と思われてきました。しかしここ30年で女性の痛風が4倍にも増加しているようです。

(引用ここから)

「結婚後も外に働きに出る人が増えたことにより、仕事でのストレスや、ライフスタイル自体の変化、さらに食生活の欧米化など、女性をとりまく社会環境は大きく変わりました。それとともに、10~20年ほど前から、おもに男性がかかると思われていた病気になる女性が増えています」

(引用ここまで)

多くの場合足の親指の付け根が腫れ上がる痛風発作ですが、男性の病気だと思っていると予防ができなかったり治療が遅れたりします。

症状に思い当たるふしがあったり、血液検査で尿酸値が高めの方はお気をつけあそばせ。

(もちろん、男性はもっと気をつけてくださいね。)

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「湿邪」

大阪も梅雨入りし、すっきりしない天気が続いています。今日は南の高気圧から、暖かく湿った空気が流れ込み、湿度と温度の高い日になるようです。

この時期から気をつけておかなければいけない状態に「熱中症」があります。

(以前の記事をご参照ください。)
http://ddmap.jp/interview/naika/20110701_1i/
http://ddmap.jp/interview/naika/20110701_2i/

実は、東洋医学においても熱中症と似た概念があり「湿邪」と言います。

「湿邪」とは、体に溜まった余分な水分により様々な体の不調を訴える病態です。体のだるさ・むくみ・眠気・食欲不振など、熱中症と夏バテに共通の症状が並んでいます。

予防としては、「体を冷やさないこと」「体温を上げて新陳代謝を高めること」と言われており、これも西洋医学・東洋医学で共通ですね。

クーラーや除湿による適度の空調や半身浴などで「湿邪」の予防をして、体を労わってくださいね。

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喫煙で700万人が1年間に死亡 ?

昨夜の大阪は突風と食洗機なみの降雨で、家全体が震えているように感じました。皆さんは大丈夫でしたか?

さて、5月31日は世界禁煙デーだったのですが、ご存知でしたか?最近は「〇〇デー」が増えすぎてどれもPR不足のような気がしているのは私だけでしょうか?

件の世界禁煙デーに合わせてWHO(世界保健機関)は、毎年700万人以上が喫煙やタバコ類の使用で命を落としていると発表しました。さらに驚きのは、2001年頃の400万人と比較して、急増しているというのです。

特に禁煙意識の高くない途上国で急増しており、2030年までにはタバコによる死亡の80%が途上国で発生すると予測しています。

WHOの報告書によると、たばこ業界は規制の厳しくなった先進国を避け、開発途上国をますます新しい市場として注力しているのが、この問題を深刻にしているというのです。

このことが途上国の医療コストを増大させ、食料生産やインフラ整備に使われるべきお金が消えていく状態に陥る原因となっているのは、本当に困ったものです。

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「知能遺伝子」

暑くなったり寒くなったりなんだか落ち着かない気候で、風邪で受診される方が増えています。

さてオランダ・神経ゲノミクス認知研究センター(Center for Neurogenomics and Cognitive Research)の研究者、ダニエル・ポスツマ(Danielle Posthuma)氏によると、欧州の7万8千人の遺伝子データと知能指数テストの結果から、人間の知能に関係する52個の遺伝子を特定したとのことです。

今回のIQ上昇に関連する遺伝子の多くは、神経細胞の発生や「シナプス」と呼ばれる神経情報の伝達経路の形成など、脳内における細胞発生の制御に関与するものだったそうです。

昔からよく言われる「あの子は頭の出来が違うから・・・」という言葉を裏付けるような今回の結果ですが、「遺伝子による頭の出来」がIQ上昇に及ぼす影響はたった20%程度と見積もられるそうです。

やはり「能力 = 才能 × 努力」とはよく言ったものですね。(才能(遺伝子)だけではダメなのです)

「いいもの持っているのに・・・」と残念に思われないようにしたいものですね。

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Netflixと遠隔医療

当医院の向かい前にあったコインパーキングが閉鎖になるようで、機器の撤去で騒がしい朝になっています。

さて、カンヌ映画祭がNetflixが動画配信している作品を来年から、審査対象としないことを決定したのとのことです。理由としては、フランスの映画館で上映されていないからだというのです。

声明を見てみると、審査委員長ペドロ・アルモドバル監督は「映画とはあくまでも大画面でみるものである」との信念がみて取れます。

同時に監督は「そう言うからといって、私が新しいテクノロジーや、それに伴う可能性を受け入れないとか、歓迎しないとかそういう意味ではありません」とも述べています。

その上で「ただし自分が生きている間は、新世代が気づいていない一点のために闘い続ける。つまり大画面が視聴者を夢中にさせる、その力のために」と自分の信念を主張しています。

便利さのために切り捨てられようとしている、これまで愛し育んできた映画の良さを守り伝えたい気持ちには共感を禁じえません。

昨今、遠隔医療が話題になっていますが、患者さんと真摯に向き合う診療の基本が安易に切り捨てられないか心配です。

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緩い坂道のすごい効果

ここ数日間、日中は汗ばむような天気で本格的な夏に向けた前哨戦のようですね。

さて、興味ある研究発表がなされました。

(以下引用)

東京医科歯科大学の藤原武男教授らのグループは、愛知県知多半島に住む高齢者約8900人のデータをもとに、地域の坂道と住人の糖尿病リスクの関連を調べた。その結果、自宅近くにある坂道の平均傾斜が1.48度上がると、比較的症状が重い糖尿病になるリスクは18%低下することが分かった。

(ここまで)

そんなに緩い坂道で、糖尿病の重症化が18%も抑えられるのは、直感に反しますよね。沢山の「???」が外れない方は以前のブログ「体重増加」をお読みいただけると良いかもしれません。

実は我々人類の直感は瞬時の判断に優れているのですが、積みかさなりや統計的な判断は不得意なのです。(トラを前にして、襲われる確率は・・・・・と考えても生存には不利になるだけですよね。自然界では単純にすぐ逃げるほうが良いのです。)

ですので「チリも積もれば山となる」とか「門前の小僧習わぬお経を読む」などの言葉が直感に反しているので面白く(不思議に)感じるのでしょうね。

皆さんはどのように思われますか?

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笑い(わらい)にガン改善効果?

本日は、大阪らしい話題を一席!

大阪国際がんセンターが関西に拠点を置く芸能事務所の松竹芸能、米朝事務所、吉本興業と協力して、研究を行い研究成果は国際学術雑誌に公表する予定なのだそうです。

具体的には、

———————————————-(以下引用)

研究に参加するのは、がんで通院中の患者70人と看護師ら。

5月から4カ月間、2週間ごとに同センター内のホールで桂文枝さんや桂ざこばさんの落語、オール阪神・巨人さん、海原はるか・かなたさんの漫才など計8回の公演を楽しんでもらう。

期間中に血液検査を5回行い、白血球の数やストレスの程度を示す数値の変化を調べる。また、QOLを調べるアンケートも実施する。

研究では、患者を前半4回の公演だけを見るグループ、後半4回だけのグループ、全8回を見るグループに分け、血液検査でどのような数値の違いが出るのかも調べる。

———————————————-(ここまで)

なのだそうです。

笑いで健康になるとの話題は以前から言われているが、実際にガン改善効果があるか医学的に調べるのは面白いですね。

協力した芸人さん達も国際学術雑誌に発表する論文に、名前が並ぶのでしょうかね。そんな論文なら読んでみたいと思いませんか?

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1mmの線虫がガンを見つける!

春なのか初夏なのかわからない天気が続いていますね。気温の変化で、体調を崩している方が多いようですのでお気をつけくださいね。北海道では季節外れのインフルエンザA型が猛威をふるっているようです。インフルエンザ予防接種の効果も薄れてくる時期なので、心配です。

さて、今回は2年ほど前にブログ(尿1滴からがん検出)で取り上げた話題の続報が入りましたので、そのことについて書きたいと思います。

九州大学大学院理学研究院助教の廣津崇亮先生は「線虫博士」と呼ばれるほど、線虫の嗅覚について研究してこられた先生だそうです。

2013年に佐賀県の伊万里有田共立病院で外科部長をしている園田英人先生からこんな相談を受けたそうです。

「胃痛で来院した患者の胃にアニキサスという線虫が食いついていたため摘出手術をされたところ、そのアニサキスの食い付いている部分に早期胃がんが見付かりました。線虫の専門家としてこの現象をどう思われますか?」

線虫は1mmと小さいながらも、犬の1.5倍の1200もの嗅覚受容体(匂いを受け取る分子)を持っているので、ガンを嗅ぎ分けている可能性があると考え、研究を開始したとのことです。

その結果以前のブログに書いたように、ガンを尿一滴で安価に検査できるシステムを考えつき、あと数年で実用化できる目処がついたとのことです。

医学と他の分野が上手く連携すると素晴らしい成果が出るのですね。

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土星の衛星に生物?

米ジョンズ・ホプキンス大などの研究チームから、驚くべき発表がありました。土星の衛星エンケラドスに生命誕生の条件が揃っている可能性があるというのです。

以前からエンケラドスには分厚い氷の下に液体の水が存在することが知られていましたが、今回氷の海から噴出する水蒸気に「水素」が含まれていることが判明したそうです。

地球上の原始微生物の中に「水素」を食料として生命活動を維持しているものがあることから、「液体の水」と必要量の「水素」があるエンケラドスに生命誕生の条件が揃っているかもしれないとの今回の発表になったようです。

今回のデータを送ってきた探査機カッシーニは1997年に打ち上げられているので、およそ20年目の快挙ともいえます。

昔から「宇宙生命体」といえば映画やアニメの専売特許だったのですが、本当に発見されるかもしれないと思うとドキドキしますね。(それが極小さな微生物で目に見えないとしても・・・・・)

皆さんはどう思われます?

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