コインと釣り針と麻疹(はしか)

昨晩から今朝に掛けては、肌寒いぐらいの気候ですね。秋雨前線の影響で、梅雨のように蒸し暑い日々が続いていたのでありがたい限りです。ただ、急な気温変化は風邪引きの原因にもなりますのでお気を付け下さい。

最初に、沖縄で古代ローマ帝国の銅貨が見付かったそうです。現在のように交通が発達していない時代に、ローマからどの様にコインが沖縄に来たのか、不思議な感じがしますね。想像するに、シルクロードを通って中国から沖縄に来たのではないでしょうか?

次も沖縄の話ですが、2万3千年前の釣り針が発見されたとのことです。「山幸彦と海幸彦」の話にも釣り針が出て来ますので昔から使われていたことには驚かないのですが、世界各地で同じ様な釣り針が見付かっていると聞きビックリしました。(これまでの世界最古の釣り針は、東ティモールの同じく貝製の釣り針(2万3000~1万6000年前))

我々が想像するより遥か昔から、情報や物が世界中を往来しているのでしょうね。

さて、世界中を往来して困るもののひとつが、「麻疹(はしか)」ではないでしょうか?関西空港で集団発生があり、ワクチンが足らなくなる騒動は記憶に新しいのですが、一方で世界保健機関(WHO)は今月27日、南北米大陸が世界初の麻疹(はしか)根絶地域となったと宣言しています。

南北米大陸では、麻疹の頻度が減ってもワクチンの予防接種を地道に続けてきた結果、今回の宣言に繋がったのです。専門家らは、ウイルスが外から持ち込まれた場合には限定的に感染が広がることはあるため根絶に成功したとはいえ、予防接種を怠ってもよいということではないと警告しています。

今回の麻疹騒動が収まっても、予防接種の事を忘れないでくださいね。

.


ピオグリタゾンで膀胱がんリスク上昇しない

糖尿病治療薬であるピオグリタゾンの使用と「膀胱がん」の発症に関連が認められるとの報道が、以前なされた事を覚えておられる方も多いかもしれません。

かかる報道をみて、「薬を代えて貰った」と言われる患者さんが全国的に少なからず居られたとお聞きしております。また、フランスでは投薬禁止の処置まで取られたと記憶しています。

論文発表後も様々な議論が続いているのですが、今回欧州のグループが31万人のデータを解析した所、「ピオグリタゾンと膀胱がんの関連」が認められなかったと発表しました。

発端となった論文を当時読んだのですが、結果のデータを見ても「ピオグリタゾンと膀胱がんの関連」を明らかにしておらず、どちらかと言えば「関連があるように解釈も出来る」程度ではないかと感じておりました。

これまで何度も「関連がない!」との報告がなされる度に、色々な理由でピオグリタゾンを使えなくなってしまった患者さんが被った不利益はどうなるのだろうかと思わざるを得ません。

論文が「真実を追究する」目的で発表されたものであれば救われるのですが、もしかして「大人の事情」が関わっているのではと疑ってしまうのは世間に毒されているのでしょうかねぇ。

.


腹に40本のナイフ

インドで激しい腹痛を訴え受診した患者さんの手術で、お腹から40本のナイフが出て来たそうです。多くが折りたたみ式のナイフだったそうですが、中には半分開いているものや18センチメートルの長いものもあったそうです。

手術を行うにあたってはチョットしたミスが大出血につながり命が危険になるため、2日間にわたって念入りに手術プランを練ったそうです。

手術は無事成功して、患者さんは快方に向かっているそうです。何故ナイフを飲み込んだかと聞かれて・・・・・・

「理由は特にない。ただ美味しくて、味が好きだったんだ。タバコやお酒が好きな人もいるだろう? それと同じだよ」

と答えたそうです。

お酒はともかく、タバコに関しては言い得て妙だなぁと感心してしまいました。

「禁煙しまんせんか?それとも、ナイフをのみ続けますか?」

.


30万円のウォークマン

今朝は涼しい風が吹いて、水撒きをしていても汗をかきませんでした。空を見上げると、雲が高く秋の空になっていました。

さて、今回はオーディオの話題です。1979年に発売されて大人気を誇ったウォークマンに、30万円の新機種が出るというのです。発売当初のカセットテープ型のウォークマンは、3万3千円だったそうなので、およそ10倍!!ですね。

価格が安く大量生産できるのがデジタル化のメリットなのですが、今回のウォークマンはデジタルオーディオなのに何故こんなにも高価なものになってしまうのでしょうか?

もちろん音質にこだわって高級な部品を使うからなのですが、それには単なる自己満足では無い理由があるのです。

デジタルオーディオはアナログオーディオと比べて、ノイズが少なく(S/N比が大きい)劣化しないのですが、原理上時間を正確に刻むことが必要なのです。この時間を正確に刻むためには高価な部品が必要になります。

デジタル機器の時間が正確でなければどんなことが起きるかといえば、フィルムの送り方が一定でない映画を見ると人物の動きが「カクカク」と不自然に見えるように、音楽の抜けが悪く不自然に聞こえるのです。

普通に音楽を聞き流す場合にはそれ程気にならない程度ですが、音楽を楽しもうとした場合には、ほんの一寸した時間のずれが大きな差となって聞こえるのだそうです。

つまり人間の聴覚には「刹那」の違いを聞き分ける能力が備わっていると言えるのです。

さらに一般のオーディオではノイズ対策が大切で、小さな空間に色々な電子機器を詰め込むのは至難の業だそうです。

そういえば、ノイズ対策のためにオーディオマニアが自宅専用の電信柱(マイ電信柱)を立てる事もあるという記事を思い出しました。「電柱一本100万円」「ウォークマン一台30万円」高いのか安いのか・・・・・・・・・・・・?

 


米国における薬価のつり上げ問題

朝晩メッキリと涼しくなり、虫の声に秋の気配を感じますね。

さて、皆さんはアメリカで起こっている薬価のつり上げ問題ご存じですか?アナフィラキシーショックの時に救命に必要な「エピペン」の値段が、大幅に引き上げられた事に端を発して薬価のあり方が問題になっています。

日本と異なりアメリカでは、薬価を薬品会社が自由に決めることが出来るのです。薬価を高く付ければ会社は儲かりますが、必要な人が高い薬を使うことが出来なくなる可能性があります。また、会社の儲けを増やすための過度の値上げは、「人の健康や命を危険に曝しても金儲けをする。」と宣言しているようなものです。

今後日本でも、TPPなどで現在の保険制度が変わってしまうと、同じ様なことが起こってくるかもしれません。

「地獄の沙汰も金次第」にはしたくないものです。


バグパイプ内の菌が原因で死亡?

驚きのニュースがネットに載っていました。イギリスでの事だそうですが、伝統的な楽器であるバグパイプを演奏していた男性が、過敏性肺炎で亡くなったそうです。肺疾患の原因が、バグパイプ内の菌だというのです。

「そんな危険な菌がバグパイプの中で繁殖するのなら、今までどうして問題にならなかったのかしらん?」と考えながら記事を読み進めました。

亡くなった61歳の男性は毎日バグパイプを吹いていたそうですが「7年間にわたり乾性のせきと息苦しさに悩まされていた。」のだそうです。つまり菌自体に強力な毒性があるわけではなく、長期のアレルギー反応の結果として、肺が悪くなってしまい不幸な結果になったのです。

当然のように身近にあり毎日吹いているバグパイプが、体調不良の根本である事を想定することは大変難しいと思います。

不整脈などの原因が分からず、不安を抱えて居られる方がいますが、身近で意外なものが原因になっているかもしれません。あなたにとっての「バグパイプ」どこかに潜んでいませんか?
(疲れ目や肩こりなど、一見不整脈と関係無さそうなものが症状に大きく影響していることもありますよ。)

.


がん光治療

先週はお盆で本ブログも休みでしたが、皆さんいかがお過ごしでしたか?
まだまだ暑い日が続いていますが、体調管理をして乗り切りましょう。

さて、がん細胞を免疫の攻撃から守っている仕組みを壊し、がんを治す動物実験に成功したとの報告がなされたので、今回はそれについて書いてみたいと思います。

がん細胞は周囲に「抑制性T細胞」を集め免疫を弱めることにより、生体で増殖し続けるのだそうです。そこで小林久隆・米国立衛生研究所(NIH)主任研究員らの研究チームは、「抑制性T細胞」に結合する抗体に近赤外線に反応する物質を付け、がんを発生させたマウスに注射した後近赤外線を当てる実験をしました。

光を当てた10分後から化学反応により「抑制性T細胞」が大幅に減少し、がん細胞への免疫細胞攻撃が始まったため、約1日でがんが消滅したというのです。(すごいですね。)

さらに驚いたことには、一匹のネズミに複数箇所のがんを発症させた場合、どれか一カ所に光を当てると他のがんも縮小するというのです。がんを異物として認識したリンパ球が血流に乗って全身のがん細胞を攻撃しているのでしょう。

全身の「抑制性T細胞」を破壊してしまうと、「自己免疫反応」がおきてしまい障害が起こる可能性があるので、がん細胞の周りの「抑制性T細胞」だけを破壊する今回の方法は他の臓器をリンパ球が攻撃せず「自己免疫反応」を起こしにくい特徴があるのです。

また、光を当てた部分だけでなく全身でがんに対する免疫を活性化できるので、転移先のがん細胞を効率的に破壊できるようになるかもしれません。

医療は治る手助けをしますが、最後に頼るべきは自分の免疫力(生命力)!! ですね。

.


お好み焼き定食

先日気になるニュースを見て、大学で研究していた頃のことを思い出しました。

九州出身の大学院生M君が大阪に来て一番違和感があるのは「お好み焼き定食」であるというのです。M君曰く、「お好み焼き」も「定食のご飯」も主食でおかずがないというのです。(漫才ではありませんが、焼きめしをおかずにご飯を食べている感じに近いとの事でした。)

突っ込みを入れられると何とか返してしまうのが関西人。

私  「じゃ、お好み焼き定食でお好み焼きに『ご飯と味噌汁』じゃなくて、何を付けるん?」

M君 「お好み焼きを定食にすること自体・・・・・・・」

私  「定食と言えばご飯と味噌汁だよね。(合点!!)」

医学実験の合間の一コマでした。

長い間すっかり忘れていたのですが、『<大阪の食文化>粉もん+ごはん「控えて」 府が警鐘』とのニュースを先日見付け、ふと記憶が甦ってきました。内容を読んでみると「大阪ではよく見られる食習慣で否定はしないが、太っている人は回数を減らすなど工夫してほしい」との記述が・・・・・・

「M君、茶化してゴメンね」と後悔の気持と、<大阪の食文化>で特殊なんだとの驚きに包まれたのは言うまでもありません。

.


人の鼻腔から新抗生物質?!

ペニシリンが青カビから発見されて以来、抗生物質を見つけるには土壌などにいる微生物を調べるものと考えられてきました。しかし「灯台もと暗し」と言いましょうか、ごく身近にというより我々の体の中に新しい抗生物質の候補が見付かったのです。

ドイツのグループは、病気の原因となる黄色ブドウ球菌は約3割の人が常在菌として鼻腔などに持っているそうですが、残り7割の人には存在していない事に注目して、研究を行ったそうです。

研究グループは、「スタフィロコッカス・ルグドゥネンシス(S.lugdunensis)」が、黄色ブドウ球菌と闘う抗生物質を生成することを発見し、この化合物を「ルグドゥニン(Lugdunin)」命名したそうです。

人間の鼻腔にいる細菌が、病原性の細菌を抑制していたのです。

気軽に抗生物質を使うと、この様な常在菌が乱されて病原性を持つ薬剤耐性菌が増えやすい状況が生まれてくるかもしれません。

今後、人間から見付かった抗生物質が使われる時代が来るかも・・・・・・・・・・

 

.


「ウナギ」と「恵方巻き」と「抗生物質」

暑い日が続いていますが、昨晩は少し過ごしやすかったです。さて、来週の土曜日は土用の丑の日ですので、うなぎ屋さんに「長い」行列が出来ることでしょう。(本日は「大暑」にあたるそうです。)

土用の丑の日にどうしてウナギを食べるようになったかと言えば、諸説ありますが平賀源内(江戸時代の発明家)が発案したとの説が有力です。

夏の時期にウナギの売り上げが減ると相談された平賀源内が、「丑の日にちなんで、“う”から始まる食べ物を食べると夏負けしない」との当時の風習を上手に取り入れてウナギの宣伝を勧めたそうです。見るからに栄養のありそうなウナギと以前からある風習が上手に結びついて、「土用の丑の日にはウナギを食べる」との習慣が広がったそうです。

次に、節分にその年の「恵方」の方角を向いて食べると縁起がよいといわれる「恵方巻き」ですが、大手コンビニチェーンの影響からか、近年関西地区から全国に広がりを見せています。

元々は豆まきとセットになって「春」の節分(立春の前日)の行事だったのですが、先日コンビニで「夏の恵方巻き」(?)を宣伝していました。確かに節分は年四回(立春・立夏・立秋・立冬の前日)ありますので、「節分には恵方巻き」との強固なイメージから、年に4回売ろうとする商魂をみて微笑んででしまいました。

実は強固に結びついたイメージは良くないことも起こすこともあります。「風邪の治療」と「抗生物質」は強く結びついていて、処方する方も貰う方も当然のようになっていることがあります。

抗生物質は細菌に効果はありますが、大半の風邪の原因であるウィルスには効かないのです。効かないだけなら良いのですが、以前から書いているように抗生物質が効かない「耐性菌」の問題があるのです。

先日、愛知県で呼吸器内科に入院、通院中の患者11人から、複数の抗生物質が効かない新型耐性菌「カルバペネム耐性腸内細菌科細菌」(CRE)を検出したとの発表がなされました。

11人全員が症状もないとのことですが、病気や手術をした際に耐性菌が暴れ出すと命の危険に晒されてしまうのです。強固なイメージから来る抗生物質の乱用が主な原因と考えられています。

本当に恐ろしいですね。

.