糖尿病の早期発見には、空腹時検査だけでは不十分なのです。(3)

前回、糖尿病診断の負荷試験である「75g経口糖負荷試験(75g OGTT)」について簡単に説明しましたが、2時間もかかる検査で何を見ようとしているのでしょうか?

ご存知だと思いますが、空腹時血糖は夜に食事をして8時間から10時間位後の朝食前の血糖を見ています。この値が正常でも、2時間で正常値になったのか10時間位かけて正常値になったのか見分けがつきません。

HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)は血糖値の平均の値と関連性が強く、血糖が高い時間が長くなれば高値になります。糖尿病初期の特徴は食後短時間の高血糖であることから考えると、早期発見に向いているとはいい難いのが現状です。

これらの検査値理解を深めるものとして、「75g経口糖負荷試験(75g OGTT)」の結果が役に立ちます。75gの糖を摂取してその後2時間の血糖値とインスリン値の推移を見ることにより、体の中での糖利用能力の状況がわかります。(糖尿病で有名な先生はこれを「糖の流れ」と言われています。)

「糖の流れ」を知ることにより、インスリンを出す細胞(膵β細胞)の機能が低下する前に必要な治療(食事運動療法や薬物治療)を開始することが可能となるのです。

 

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