検査値の正常値と異常値について(5): 血圧の測定

祭日を挿んだので2週間のご無沙汰となりました。前回は、専門家でも勘違いしやすい内容でしたので話が込み入っており十分説明できているか心配です。

さて、今回は血圧の測定について書いてみたいと思います。

「血圧の測定をしたら毎回数値が変動するけど、どれが正しい血圧ですか?」と質問されることがあります。普通、検査の値が一定しない場合には、「正しい値との誤差(ずれ)」が大きいと考えがちです。ですから日頃、血液検査など短い時間での変動が少ない検査値を見ているので、血圧の測定値に違和感を覚えるのも自然でしょう。

血圧の測定に関していえば、測定エラーや機械の故障などが無ければ「測定したすべての値」が「正しい血圧」になります。(ある程度の誤差(ずれ)はありますが・・・・・・)

血圧は、運動や感情の変化により容易に変化するように出来ています。想像しにくいかもしれませんが、一拍(心臓が収縮する度)ずつ血圧が変動する場合も日常的にあるぐらいです。

「そのように言われても、血圧手帳にどの値を書いたらいいのか迷ってしまいます。」と思う方もおられるのではないでしょうか?

私の場合、「折角計っていただいたのですから全て書いてください。」とお願いしています。(あまり瀕回に測定すると、内出血して青赤くなりますので気をつけてくださいね。)書く場所が限られて全てがかけない場合には、家庭血圧の測定は高血圧のコントロール目的のことが大半なので、「一番低い値を書いてください。」とお願いするようにしています。(なぜ一番低い値なのかについては、高血圧についてのブログで機会があれば説明する予定です。)

血圧測定や血液検査の結果については毎回の評価も必要ですが、その人にとっての正常・異常は「検査値の流れ」の中で考える必要があることを知っていただければ幸いです。

 

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