「高血圧と言われました」

10月も終わりに近づき、めっきり寒くなってきました。今朝のニュースで国立循環器病研究センターの集計によると、冬の心筋梗塞発症は夏の1.6倍多いとの発表があったそうです。冬は血圧も上がりやすく、動脈硬化の進んだ血管の破綻が多いのではとの循環器医の予想が裏付けられたデータですね。

ところで検診などで「血圧が高いですね。」と言われた経験のある方も多いのではないでしょうか?そんなとき「血圧測定して血圧が高かったのだから自分は高血圧だ」と認識される方が案外多いようです。その裏側には「高血圧 = 血圧が上がる」との考えが広く、深く浸透している事が伺えます。

何回か前のブログに書きましたが、「高血圧を血圧が上がる病気」だと考えると測るたびに変動する血圧をどう理解するのか混乱してしまう原因になります。変動する血圧をどう考えるのか、受診された方によく質問されるのですが、次のようにお答えします。

 

「高血圧は血圧が上がる病気ではなく、血圧が下がらない病気だと理解してください。」

 

緊張した時や運動した時の一時的な血圧の上昇は、それほど大きな問題にならないと考えていいのです。血圧が上がって悪いのでしたら、スポーツ選手は全員が高血圧になってしまいます。(ハンマー投げややり投げなどの投擲競技の選手の赤らんだ必死の形相をスローモーションで見ると、瞬間的に200mmHgを超える血圧になっているのではないかと思えます。)

高血圧は血圧が上がるから「血液ドロドロ」(?)になるのではなく、安静にしていても血圧が下がらず、血管が安静(自己修復)に出来ずに血管の老化(動脈硬化)が進む病気なのです。水撒きに使うホースの元栓を開け放して圧力をかけ続けると、一部が圧力で引き延ばされてヘビのお腹のようになる姿を想像していただけるとわかりやすいかもしれません。

家庭血圧の記録で全部を書けなければ、一番低い血圧を書いてくださいとお願いしているのは「高血圧は血圧が下がらない病気」との考えからなのです。

 

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