糖尿病はどんな病気(2)

前回、糖尿病を「血糖の上がる病気」と簡単に言い切れなくなってきたことを書きました。では、糖尿病をどの様に捕らえればよいのでしょうか?ここからは医師の間でも意見の分かれるところであるので、私の意見としてお読みいただけると幸いです。

糖尿病は「おしっこに糖の出る病気」から「血糖の上がる病気」へと認識が変化してきたのですが、それは「おしっこに糖が出る」事より「血糖が上がる」事の方がより糖尿病の本来の姿(本質)を表していたためと考えられます。今回の大混乱から糖尿病は「血糖の上がる病気」として認識するより、「糖の代謝異常(糖を上手に利用できない)病」と理解した方が良いのではないかと思っております。「糖の代謝異常病」は平たく言えば「糖が細胞内にスムーズに入っていかない病気」と言えると思います。

では何故「糖が細胞内にスムーズに入っていかない」のでしょうか?

 

簡単に説明しますと、細胞に糖が入るときに膵臓から出るホルモンである「インスリン」の働きが必要なのですが、生活習慣によりインスリンが働き難い体になったり、膵臓が疲れ果てて「インスリン」を分泌できなくなると糖が細胞内にスムーズに入っていかなくなります。結果として、糖が血液内で渋滞を起こして血糖が上がるのです。

段々と話が混み合ってきて「風が吹けば桶屋が儲かる」的になってきましたがまとめてみますと、

 

「インスリンの働きが悪くなる。(インスリンの分泌量が減ったりインスリンが働き難い体質になる。)」→「細胞内にスムーズに糖が入らなくなる。」→「糖が渋滞を起こして血糖が上がる」→「腎臓の糖を再吸収する能力を超えておしっこに糖が出る。」

 

となります。糖尿病の名前の由来からすると「思えば遠くに来たものだ!」の感がありますね。次回は、糖尿病の認識が変わると糖尿病治療はどうなっていくかを書かせていただきます。

 

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