コレステロールの検査値について(3)

悪玉と言われているLDLコレステロールですが、低ければ動脈硬化が進み難いのは明らかな事実として、体にとって全く必要のないものなのでしょうか?現在LDLコレステロールは低ければ低いほどよい(lower the better)と思われていますが、実はそうとも言い切れないのです。

 

以下のような、大阪大学の先生が行った調査があります。

「日本人地域住民で低LDLコレステロール(80mg/dL未満)が脳出血の死亡リスクを増加」

9万人を超える茨城県観察研究のエビデンス 低比重リポ蛋白(LDL)コレステロール値が高いほど、脳実質内出血による死亡リスクは低下することがわかった。 LDL値が140mg/dL以上の人は、80mg/dL未満の人に比べ、性別・年齢補正後の脳実質内出血による死亡リスクがおよそ半減するという。

 

つまりLDLコレステロールが低すぎると、脳出血のリスクが増加してしまうのです。単にLDLコレステロールが低いだけの効果でなく、食餌や生活習慣などの影響がどこまであるか解りません。しかし遺伝的にLDLコレステロールの極端に低い人は、動脈硬化が進行しない反面、脳血管の解離(脳の血管が裂ける)を起こしやすいことが知られている事から、LDLコレステロールが極端に低いと血管の壁が弱く(脆弱)になると考えられます。

LDLコレステロールが高すぎても低すぎても、原因は違っていますが血管が脆弱になってしまうので、どちらの場合も血圧のコントロールを厳密に行う必要が出てくるようです。ですから悪玉と言われるLDLコレステロールも必要ないものではなく、人間の勝手な都合で悪玉にされている事がわかりますよね。