睡眠時無呼吸症候群ってどんな病気?(3)

昨日2012年のWHO「世界保健統計」が発表されましたが、驚くことに世界の25歳以上の人口の4分の一以上が高血圧なのだそうです。世界平均よりはやや少なめになっていますが、日本でも男性26・4%、女性16・7%が高血圧の範疇に入っているそうです。定期的に病院や医院に通院している方がそれほど多いとは思えないので、多くの方が気になりながらも後回しにされているのでしょう。以前のブログでも書きましたが、高血圧は「未病」の状態と考えられるので、「治療をすると言うより養生する」感覚で気楽に通院いただけるにはどうすれば良いのかと頭をひねっています。

さて、前置きが長くなりましたが「睡眠時無呼吸症候群」の起こるメカニズムについて書きたいと思います。

実は「睡眠時無呼吸症候群」は原因から大きく2種類に分かれます。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群

   睡眠中の筋弛緩により舌根部や軟口蓋が下がり気道を閉塞することが主な原因である。

中枢性睡眠時無呼吸症候群

   脳血管障害・重症心不全などによる呼吸中枢の障害で呼吸運動が消失するのが原因である。

   (*注 閉塞性と中枢性の合わさった混合性もあります。)

多くの場合が閉塞性睡眠時無呼吸症候群です。

いわゆる「いびき」は睡眠時に気道が狭くなることで起こるのですが、さらに狭くなってついに閉塞してしまうと「無呼吸」になってしまうのです。肥満があると閉塞を起こして無呼吸になる確率が3倍になるとの報告もありますので、肥満も一つの原因ということになります。

睡眠時無呼吸症候群の説明で「いびき・肥満」が強調されるのも、その原因から考えると十分に頷けるものだと思います。

 

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