ピカソと医療(2)

さて前回からの続きですが(お読みになっていない方は「ピカソと医療(1)」を先にお読みください。)、健診での一寸した検査値異常を「お医者さんに相談」しても一般的な答えしか返ってこないのであまり意味のないことなのでしょうか?

医師の立場からすると初めて診察する方に「必ずしも治療が必要でない検査値異常」を相談された場合、「すぐに服薬する必要はありませんが、生活習慣を見直してしばらくしてもう一度検査をしましょう。」と答えざるを得ないのが実情です。(検査値が正常範囲内であっても、服薬が必要になる場合があることや、適切な時期に服薬を開始しないと「服薬しない副作用」が進行してしまうことは、以前のブログに書きましたね。)

この様な説明を聞くと多くの方が「お医者さんに相談したけど、薬を飲む必要が無く様子を見てくださいと言われました。」と理解されるようですが、実は「この異常値が生活の乱れによる一時的な物かどうかを見極めなければ、服薬が必要かどうかは現時点では判断ができませんので、もう一度検査をする必要があります。」という意味なのです。

ですから一寸した検査値異常を相談する場合に、もし可能でしたら2回は行くつもりで受診をしていただくと「お医者さんに相談」する意味は十分にあると思います。
将来的には毎年の健診・検査データを記録するだけで、将来的な発症予測をするシステムが出来れば、2回も受診していただく必要が無くなるのではないかと思っています。

現代医学は治療に関して大変強力で実効性のあるツールでありますが、「予防医学」に関してはまだまだ有効性や実効性に疑問符が付きます。芸術界のピカソのような独創的な発想で医学の現状を打開してくれる天才が現れるその時まで、一寸した検査異常があった場合、『「お医者さんに相談」×2回以上』の心づもりでよろしくお願いいたします。

(追伸:皆様のおかげさまで「ピカソと医療(1)」は検索エンジンの1番になっているようです。)