エビデンスとは?(2)

最近は、「乾いた咳の続く風邪」「胃腸にくる風邪」「インフルエンザ」(海外では「新型インフルエンザ」)と色々な種類の風邪が流行っているようです。予防の基本はうがい・手洗いですが、おかしいなと思ったら早めの受診がお勧めです。

さて、前回はエビデンスのイメージを説明するために、『食べようとしている「ミカン」が美味しいはずだ』と判断する場合のエビデンスレベルについて書きました。(上手くお伝えできましたでしょうか?)

では、巷で言われるEBM(エビデンスベイスドメディシン:エビデンスに基づいた医療)とは、どの様なことを表しているのでしょうか?

一般に医師が診断・治療を行う場合、患者さんからお聞きした症状の原因となるメカニズムを論理的に考え診断し、メカニズムの異常を改善する薬などを投与して治療を行っています。当然ながら同じ様な症状を起こす複数のメカニズムがありますし、一つのメカニズムの異常も同じ所とは限らないのは言うまでもありません。そのために検査結果や最新の受診状況などを考慮して一番確からしいと思われる診断・治療を行っています。

一般に行われているこの手法は多くの場合十分に効果的であるのですが、「一番確からしいと思う」ところに経験や情報量の差が出てしまう危険性を含んでいるのです。そこで、何故「一番確からしいと思う」のか?をエビデンスのレベルに基づいて評価することにより、より良い医療を目指すのがEBMの考え方だと言えます。

EBMの話が出ると『「EBMは証拠・論拠に基づいた医療」なのだから、これまでの医療は証拠・論拠に基づかない医療で、適当な「さじ加減」で行われていたの?』と思われるのではないかと心配になってくることがあります。皆さんは、こんな論調の新聞記事などを見かけましたら、眉につばを付けて騙されないようにしてくださいね。