エビデンスとは?(3)

今朝は大阪で結構な量の雪が降っていましたが、日が照ってきました。交通に影響が出ないで済みそうです。

前回までにエビデンスレベルとEBM(エビデンス・ベイスド・メディシン)について書きましたが、どの様な物か感じを掴んでいただいたでしょうか?かなり専門的な話ですので、私の文章力では上手く伝え切れていないかも知れないと心配しています。

しかし、「ブログは書き進めなければならない!」ので、今回からはもう少し具体的にエビデンスに関する説明していきたいと思います。(「エビデンスとは?(1)」で書いたミカンのたとえを思い出しながら読んでいただけると良いかもしれません。)

まずエビデンスを考える上で一番大切なのは、どんな判断を評価しているのかを明らかにしておくことです。ミカンのたとえで言うのでしたら、『今食べようとしている「ミカン」が美味しいはずだ』ということになります。評価すべき判断が変われば、用いるエビデンスも変わるのはご理解いただけると思います。

このブログでも度々取り上げている心筋梗塞や脳梗塞の原因となる動脈硬化を防ぐために、降圧薬を投薬している場合を取り上げてみますと・・・・・・・・

判断(1):この薬を投薬して血圧を降下させたい。
この場合最も有力なエビデンスは、「(患者さん自身が)実際に服薬して血圧が降下した。」ということになります。血圧の降下が十分でなければ、他の薬を試すのはこのエビデンスを得るためです。

判断(2):この降圧薬を投薬して動脈硬化を予防したい。
この判断を評価する場合、判断(1)で最も有効であったエビデンス「(患者さん自身が)実際に服薬して血圧が降下した。」が最も有効であるとは限らないのです。それはこの判断(2)が①「患者さんの血圧が下がった。」②「一般に血圧が下がると動脈硬化が進まない。」だから、「この降圧薬で血圧を降下させると動脈硬化が進まない。」という三段論法(論理的な推測)を含んでいるからなのです。事実証明された物でなく推測を含む物は、エビデンスのレベルが低くなるのです。

かなり込み入った話ですが、エビデンスが絶対的な物でなくどんな判断を評価したいかによって明確に使い分ける必要がある物だと、ご理解いただければと思っております。