エビデンスとは?(5)

本当に寒い日が続きますね。風邪や胃腸炎も相変わらず流行っていますので、うがい・手洗いを習慣付けてくださいね。

これまで何回かに分けてエビデンスについて書いてきましたが、なんとなくイメージを持っていただけたでしょうか?私は、「ある判断を評価するための根拠(論拠)」という感じでイメージしています。

さて、前回題材にした「判断:毎日○○を食べると癌になりにくい」のエビデンスとして最もエビデンスレベルの高い物はどの様なものなのでしょうか?実は、前回こじつけのようにも聞こえる解釈をいくつか例示して、皆さん自身にも解釈を考えていただきましたが(いい解釈が出来ましたか?)、それらの判断とは異なる解釈が成り立たないような事実が示されるのが良いのです。

1.そもそも癌になりにくい人が好んで○○を食べる傾向があるかも知れないので、意識的に食べても癌を抑制する効果がないかも知れない。

に対しては、「食べる人と食べない人を個人にまかせずくじ引きで決める(ランダム化・無作為化)」

2.毎日○○を食べる人で癌を煩っている人が少ないのは、毎日○○を食べることによって癌の進行が早くなり亡くなってしまっているからかも知れない。

に対しては、「現時点で食べる人と食べない人を登録して、10年間・20年間のその人達が癌になったかどうか調べる。(前向き観察)」

3.毎日○○を食べて癌を煩っている人は、面倒くさいアンケートには答えたがらない人が多いだけかも知れない。

に対しては、「前向き観察を行った上で、登録した人の追跡(フォローアップ)を完全に行う(追跡の完遂)」

以上まとめてみますと、エビデンスレベルが高いのは「『ランダム化した前向きに観察した研究で追跡の完遂をされたもの』で、○○を毎日食べた人の癌が少なかった。」ということになります。

臨床研究参加をお願いするとき、薬と薬効のない偽薬(プラセボ)にランダムに割り振りますと説明すると怪訝な顔をされることがありますが、このブログをお読みいただき、心理的な壁が少しでも低くなったと言っていただければ幸いです。