桜と小麦と貧血

気温が上がるにつれ咲き始めたかなぁ?と思っていた桜が今は盛りと咲き誇っていますね。明日は「爆弾低気圧」の発生が予測されているので、風に散ってしまうのでしょうかね。

そんな桜を惜しみつつ、今回のブログは桜の話題から始めたいと思います。

日本全国に広く植えられている(ニューヨークにも友好の印に送られて植樹されていますが)桜の代名詞と言えば言わずと知れた「ソメイヨシノ」でしょう。実は、そのほとんど全てが接木によって増やされた、現代風に言えばクローンである事をご存じでしょうか?春の時期に一斉に咲いて、ほとんど同時に散っていくのは、おなじDNAを持っていると考えると合点がいきます。実は、「ソメイヨシノ」は通常の種子では増えることが出来ないDNAを持っているのですが、その美しさから人間の手でここまで広まったのです。

同じ様なことが小麦についても起こっているそうです。野生の小麦は、実が成熟すると風で遠くまで飛ぶように穂から種が自然と外れるそうです。しかし、現在の栽培用の小麦は種が成熟しても外れず刈り入れが確実に出来る変種なのだそうです。

植物の話が続きましたが、実は人類でも同様の現症があります。鎌形赤血球貧血と言われる赤血球が変形する「貧血」なのですが、アフリカでは他の地域に比べてこの貧血の人が多いのです。実は、変形した赤血球が恐ろしい病気の「マラリア」に強いため、「貧血」である不利な点を覆い隠してしまうのです。

この様に一見不利に見えるDNAが広まっていく要因となっている「人の嗜好」や「収穫量」や「マラリア」を学術的には「選択圧(選択圧力)」といいます。現代社会は便利にはなりましたが、「高カロリー」、「ストレス」などの強大な「選択圧」がかかっている環境なのです。自身の弱いところをいち早く知り対策をすると同時に、利点を延ばしていく努力が必要なのかも知れません。






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