ダイエットは万能ではない?(3)

天気予報によるとまだまだ猛暑が続くようです。「風疹」はすでにピークを越えたようですが「熱中症」になりやすい環境が続きます。お気を付けください。

さて、今回は「血糖値と膵臓の疲弊の関係」について書いてみたいと思います。

近年、糖尿病の発症に関して、血糖値(特に空腹時血糖)の上昇に先立ち膵臓の疲弊(インスリンを十分に出せない状態)が起きていることが判ってきました。以前にも書きましたが、空腹時血糖やHbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)が上昇するころには、膵臓の疲弊が進んでいて半分の機能しか残っていないのです。

この事から「ダイエット」して空腹時血糖が良くなっても、膵臓の機能が正常の半分ぐらいしか改善していない可能性があると類推されます。膵臓の機能が十分に回復しなければ、「ダラダラとしたインスリン分泌」が起こり「食後と空腹時の血糖値の差」が大きくなるため、動脈硬化の進行が止まらず、結果「心血管イベントのリスク」が減らないことになるのです。

血糖値がそれ程上昇していない、糖尿病になる前の「耐糖能異常」の状態から「心血管イベントのリスク」が上昇することを考えても、膵臓の疲弊と動脈硬化の密接な関係が窺えるとと思います。この意味から、糖尿病治療の目的は膵臓の機能回復・維持であるとご理解いただけるのではないでしょうか?

もちろん「ダイエット」をしても意味がないと言っているのではありません。薬を飲むのを嫌がって「ダイエット」を頑張りますと言われる方が多いのですが、「ダイエット」を頑張って達成しても十分でない可能性があり、ましてや「ダイエット」を継続しきれない場合も結構あるのです。ですから糖尿病治療は「服薬」と「ダイエット」の二本立てで考えるのが、一番良い方法ではないのでしょうか?

「ダイエットは万能ではない!」でも生活習慣病の強力な治療法の一つです。