バイキングとカメハメハ大王と生活習慣病

「やっと涼しくなりましたね」と書こうと思っていたら、台風の影響か今日はまた蒸し暑さが戻ってきてしまいましたね。来週はもう9月ですが、秋はいつ来るのでしょうかね。

さて皆さんも良く知っている食事の形式である「バイキング料理」ですが、きちんと行儀良く席について食事をするフランス料理などと比べて、自分で取ってきて食べる豪快な感じや自由さが北欧の海賊「バイキング」のイメージと重なり、バイキングはこんな食事の仕方をしていたのではないかと妙に納得してしまいます。

実は、「バイキング料理」のいわれは、日本では東京にあるレストラン「バイキング」ではじめられた食事の形式なので「バイキング」と呼ばれるようになったであり、北欧の「バイキング」とは直接関係ないのです。(ですので欧米では「バイキング」と言わず「ビュッフェ」と言います。)

この様な説明を聞いても、やはり北欧の「バイキング」を想像してしまうのでイメージとは不思議なものです。

次に、ハワイの「カメハメハ大王」なのですが、「カメハメハ」という音の響きとハワイの温暖で平穏なイメージとがガッチリと結びついているので、多くの人がNHKのみんなの歌に採用された「南の島のハメハメハ大王」の歌詞にあるようなロマンチックな人物を想像すると思います。

実は、ハワイの「カメハメハ大王」はイギリスなどから軍事支援を受けた強大な軍隊を持ってハワイを統一統治した英雄であり、辣腕政治家でもあったそうです。

あるモノとイメージがあまりに強固に結びついてしまうと、実物を知った後もイメージに引きずられてしまうことが良くあります。

医療の世界でも「生活習慣病」という言葉がありますが、日本に元来からある「病気の原因は不摂生」というイメージと結びついて、「生活習慣が悪いから病気になった。」と思われがちなようです。

しかしこれは一方的な見方で、「体質と環境の不一致」が本来の原因なのです。生活習慣(環境)を変えても検査異常が解消されない場合には、すぐに服薬によって体質を調整する必要があるのです。

最近では、上記の「生活習慣病」のイメージに「メタボ(メタボリックシンドローム)」のイメージが上乗せで結びつき、「体質と環境の不一致」の「体質」の部分が忘れ去られているようです。

お気を付けあそばせ・・・・・・・・・






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