月別アーカイブ: 2013年9月

元気になった高齢者

朝晩はメッキリ涼しくなって来ましたね。風邪や秋の花粉症で受診される方が増えておりますので、皆様もお気を付けください。

さて、今回はデンマークから「高齢者」に関する興味深い研究発表がなされたのでブログに書いてみたいと思います。

南デンマーク大学加齢研究センターのカーレ・クリステンセン教授のグループは、1998年と2010年に90歳前半の高齢者を対象に身体機能や認知機能を調べて比較したそうです。その結果2010年の方が身体機能も認知機能のいずれも高い事が明らかになったとのことです。

世間一般では高齢者の医療費が増大していることから、「(コストの高い)高度な医療によって平均寿命が延びている。」との意見を良く聞くのですが、同教授は「障害を有する極めて脆弱な高齢者が生存できるようになった結果、平均寿命が延びたとする意見に疑問を投げかけるものである。」と強い言葉で、一般的な考え方に警鐘を鳴らしています。

生活環境や健康管理により、一昔前の高齢者に比べてより長期的かつ良好に機能が保てていると考えられるのです。この変化かここ10年程で起こっているとしたらすごいことです。

一つ残念なことは、統計学的有意差(数学的に十分に差がある事)は女性にだけ認められていて、男性では確定的ではなかったようなのです・・・・・・・・。

「生き生きと元気な高齢者」素晴らしい言葉だと思いませんか?「医療に携わる者として少しでも役立つことが出来れば」と思いを新たにさせられた気持ちがしました。


満月

昨日は中秋の名月で、夜に空を見上げると大変綺麗な月が夜空に青白い澄んだ光を放っていました。

秋の月がきれいな理由は、単なる思い込みではなく科学的に見て説明が付く理由があります。

1.秋は空気中の水蒸気量が少なく、大気がぼやけたりすることがあまりないため、くっきりとした月が見えます。

2.月の通り道の関係で、冬の月は空高く、夏の月は割と低い位置にあります。
月が低い位置にある場合、地表付近のちりや明かりなどにじゃまされて、きれいにみることができません。

3.さらに大気によって光が吸収されるため、低い月はどうしても暗くて赤っぽくなってしまいます。
(夕焼けが赤いのを思い出してくださいね。)

4.秋より冬がより高い位置に月はあるのですが、冬は長時間見るには寒かったり見上げるのが大変だったりする上に、視覚認識上、山や建物など比較する物と同時に見た方が月が大きく迫力あるように感じるため、適度な高さにある秋の月が見やすい。

5.春も秋と同じぐらいの高さに月があるのですが「おぼろ月夜」といわれるように、空気中のちりや花粉・黄砂などが多くクッキリと見えない。

なるほど今年は台風が通り過ぎた後なので大気が澄んでいて、例年より満月が綺麗に見えたのでしょうね。中秋の名月(旧暦8月15日の月)が満月になるのは8年後の事だそうです。

そんな月を思い出しながら「秋に月が綺麗な理由」をブログに書いている自分を顧みて「職業病」かなぁと少し反省しつつも、多くの方がご自身の「健診結果」がそのようになっている「理由」(単に「食べ過ぎている」とか「運動不足」などではなく・・・・)にもう少し興味を持っていただけないものかと、頭を捻っています。

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医療戦隊 マモルンジャー

以前のブログ(「警告灯と健診異常」)に

『「健康診断で異常値を指摘された人も同じように不安な気持ちを抱えているのではないだろうか?」と心配になると同時に、多くの健診異常の方々が「『お医者さんに相談だ』×2回以上受診」の気持ちで来院して、少しでも安心をしていただくにはどうすればいいのだろうかと、点灯したままの警告灯を見ながら考え込んでしまいました。』

と書いていたのですが、当院のスタッフが「医療戦隊 マモルンジャー」というキャラクターを考えてポスターを作ってくれました。

メンバーは3人で、高血圧から皆さんを守る「高血圧レッド」、糖尿病から守る「糖尿病ブルー」そして高脂血症から守る「高脂血症イエロー」です。中々かわいくできていますのでお時間のある方は、医院の玄関前まで見に来ていただければありがたいと個人的には思っております。

そこにも書かれていますが、仕事などが忙しくてご本人が来られない場合でも健診結果を基に相談を受けられますので、よろしくお願いいたします。健診結果につきましては、複数回分をお持ちいただけると、より踏み込んだ相談が出来ると思います。(申し訳ありませんが諸般の状況により、電話やファックスでの相談を受けることは出来ませんのであしからずご了承ください。)

力を合わせて「黒矢印軍」(黒矢印は検査異常を示す印です。)を退治しましょう!!

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健診結果相談

台風が過ぎてから、少し過ごしやすくなりましたね。長く暑かった今年の夏もそろそろ終わりでしょうかね。

さて、このブログでも何度か書いたのですが、「健診を受け放し」にしている人が意外に多いようです。そのため健診結果の異常について医師の報告書を求める会社もあるようです。

健診結果をかかりつけ医に見せておくことは重要なのですが、どの様にお伝えすれば得心していただけるのか以前から頭を捻っていたのですが、参考になりそうな話を思い出したので書いてみますね。

それは、医学とは全く違う畑の「ホテル経営」の話なのです。

「ホテル経営」は端から見る程、優雅なモノではなく難しい要素を抱えてるとのことです。

1.鮮魚屋などで売れ残った魚は、次の日に値段を割り引いて売ることが出来るのですが、ホテルでは「今日の空室」を次の日に売る事が出来ないのです。(売れ残った魚が消えてしまうようなものですから)「ホテル」は「鮮魚屋」よりも厳しい時間的な制約を受けていると言えます。

2.小売店など状況を見て仕入れの量などを調整できるが、ホテルは自由に建物を大きくしたり、小さくしたり出来ないために「小売店のような仕入れの調整」が出来ない。

上記のような話を聞いて「なるほどなぁ」と感心した事を覚えています。

その時はそのまま聞き流していたのですが、今回よくよく考えてみると「ホテル経営」と「健康維持」は似ているのでは・・・・・・とひらめいたのです。

1.健診結果を医師に相談せず放置して、血管の老化(動脈硬化)が進んでしまうと後からの努力では取り戻せない。

2.いわゆる「体質」は「遺伝 + これまでの積み重ね」で決まるものなので、急に努力しても自由に変えることが出来ない。

「健康診断の結果が(もっと)悪くなったらがんばろう」とお考えの方々、「ホテル経営」はそんなに甘いものではないようですよ・・・・・・・

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