元気になった高齢者

朝晩はメッキリ涼しくなって来ましたね。風邪や秋の花粉症で受診される方が増えておりますので、皆様もお気を付けください。

さて、今回はデンマークから「高齢者」に関する興味深い研究発表がなされたのでブログに書いてみたいと思います。

南デンマーク大学加齢研究センターのカーレ・クリステンセン教授のグループは、1998年と2010年に90歳前半の高齢者を対象に身体機能や認知機能を調べて比較したそうです。その結果2010年の方が身体機能も認知機能のいずれも高い事が明らかになったとのことです。

世間一般では高齢者の医療費が増大していることから、「(コストの高い)高度な医療によって平均寿命が延びている。」との意見を良く聞くのですが、同教授は「障害を有する極めて脆弱な高齢者が生存できるようになった結果、平均寿命が延びたとする意見に疑問を投げかけるものである。」と強い言葉で、一般的な考え方に警鐘を鳴らしています。

生活環境や健康管理により、一昔前の高齢者に比べてより長期的かつ良好に機能が保てていると考えられるのです。この変化かここ10年程で起こっているとしたらすごいことです。

一つ残念なことは、統計学的有意差(数学的に十分に差がある事)は女性にだけ認められていて、男性では確定的ではなかったようなのです・・・・・・・・。

「生き生きと元気な高齢者」素晴らしい言葉だと思いませんか?「医療に携わる者として少しでも役立つことが出来れば」と思いを新たにさせられた気持ちがしました。






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