エピジェネティックス

今回は、「健康危機-3 薬剤耐性菌②」について書こうと思っていたのですが、先週からビックリするような医学の話題が二つも続いたので、そのことについて書こうと思います。

その二つの話題とは

①鳥取大学が単一のマイクロRNAの導入により、がん細胞を容易に正常細胞や良性細胞へ変換できることを発見!

②理化学研究所が、体細胞の分化状態の記憶を消去し初期化する原理を発見(STAP細胞作成)

のことです。

実は、この二つの話題を理解するには、以前のブログ(副作用と代償機転(6)参照)に書いたことを基にするのが近道です。

『通常は、その細胞にとって必要性の少ない(蛋白質にして働かせる必要のない)遺伝子は、ヒストンという蛋白質に巻き取られて働かないようになっているのです。しかし、心不全が長く続くとヒストンの巻き取りが緩んで、不必要な蛋白質がたくさん出てきてしまうのです。こうなると、心臓の筋肉細胞自体が変化してしまい、治りにくい(難治性の)心不全になってしまうのです。』

この、遺伝子を巻き取ったり・緩めたりする調節が「エピジェネティックス」であり、皮膚の細胞・肝細胞・心不全の心筋細胞・がん細胞等の特徴を決める要素になっていると考えられています。

マイクロRNAの導入やSTAP細胞作成時の酸性刺激は、「エピジェネティックス」の調節を介して、がん細胞を良性化したり、体細胞を色々な特徴を得る前の細胞(幹細胞)に戻していると考えるのが良いのです。(今後、その様な研究報告がなされると思います。)

どちらも、本当にビックリするような医学的発見ですが、実際の治療に使われるにはまだまだ時間がかかると思います。今後、色々なハードルを越えて多くの人の役に立つ技術に育って欲しいものです。