健康危機-2 薬剤耐性菌①

今回から、昨年12月17日にアメリカ疾病対策センター(CDC)が発表した「2014年の健康危機の重要課題を5項目」のそれぞれの項目について書いてみたいと思います。

今回は「①薬剤耐性菌」についてです。

薬剤耐性菌といえば、最近、北海道を中心に治療薬の「タミフル」が効かないインフルエンザウイルスの感染が広がっているという報道がなされたことが記憶に新しいですね。しかし、ウィルスや細菌(ばい菌)がどの様にして薬に耐性(薬が効かなくなること)を得るのかご存じでしょうか?

「突然変異で薬に負けない強力なウィルスや細菌が現れた。」と理解されている方が少なからず居られるのではないでしょうか?

確かにその様なことは希にあるのかもしれませんが、一般的に「耐性菌 = 病原性が強い」という事はないのです。薬剤耐性菌に薬が効かなくなるのは、「強い」からではなく、薬剤が効きにくくなる蛋白質を作ったり、薬剤が攻撃する部分の形を変えたりしているからなのです。

本来、作らなくていい蛋白質を作ったり、形を変えたりしているので、耐性菌は歪な状態にあるのです。そのため、分裂する速度が遅くなったり、感染力が弱くなったりすることもあるのです。

しかし、薬による治療で大流行が抑えられたり死亡率が下がっていたものが、薬剤耐性菌では薬の無かった状態に戻ってしまうのです。つまり、頼れるのは自身の抵抗力(免疫力)だけになり、弱い場合には薬剤耐性菌にやられてしまうのです。

薬による治療を行っている限り、薬剤耐性菌の問題はついて回るのですが、どの様なことに気を付けておくべきか次回のブログで書きたいと思います。