健康危機-3 薬剤耐性菌②

ここ1-2日大変冷え込んでいて、大阪でも雪になるそうです。冬本番といった感じですね。年末までなりを潜めていたインフルエンザが、急激に流行しているようですので、うがいや手洗いをこまめにして予防にお気を付けくださいね。

さて、今回は薬剤耐性菌についてどの様なことを気を付ける必要があるのか書きたいと思います。

前回(薬剤耐性菌①)も書きましたが、恐れられている薬剤耐性菌ですが、病原体(病気を起こす原因)としてはそれ程強いわけでは無いのです。そのため、薬剤耐性菌があるからといって必ず症状が出るとは限らないのです。

この「症状が出ない」ことは一見良いように思いますが、免疫力が低下するなど体の状態が悪くなった時に、隠れていた薬剤耐性菌が暴れ出し、回復の手助けをしてくれる薬剤も効かずに重症化する可能性があるのです。本当に怖いことですね。

体の中に薬剤耐性菌を生じにくくさせるためには、必要な抗生物質の適切な量を適切な期間きっちりと服用し、病原体を完全に押さえ込むのが有効であることが判っています。

家に余っていた抗生物質を飲んだり、症状が無くなったからといって抗生物質を自己中断することは「適切な量を適切な期間」飲めていない可能性があるので、避けた方がよいといえます。

新しい薬剤と薬剤耐性菌の出現は、以前からイタチごっこのように繰り返されています。その中で薬剤耐性菌にやられないためには、安易に抗生物質を使わないようにして、必要な時には「適切な量を適切な期間」きっちり服用することが、大切なのです。






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