ダイオウグソクムシ

前回までの「健康危機」の話が一段落しましたので、今回はガラッと趣を変えて最近話題の海底に生息するダンゴムシ「ダイオウグソクムシ」について書いてみたいと思います。

少し前に新聞やネットで話題になっていたのでご存じの方も多いと思いますが・・・・

「三重県鳥羽市の鳥羽水族館は14日、5年1カ月にわたって絶食を続け話題を集めた深海生物「ダイオウグソクムシ」の「No.1」(体長29センチ)が死んだと発表した。」

仮死状態などでほとんど活動しないのならまだしも、5年1ヶ月も何も食べずに生きていたことは本当に不思議です。

「海水中の有機物を直接取り込んでエネルギーにしているんだ」とか「動くのにほとんどエネルギーを消費しない究極のエコ生命体なんだ」とか色々と憶測を呼んでいました。

水族館が死んだダイオウグソクムシを解剖したところ、甲羅の裏側などの肉も痩せているように見えず、良い状態にあり絶食による餓死とは思えないとのことだったそうです。特殊な点としては、未知の酵母菌を大量に含む緑色の液体でダイオウグソクムシの胃が満たされていたのです。

この緑色の液体が、死因になったのかはたまた長期間の絶食を可能にした特別のものなのかは、今後の研究結果を待つ必要があります。

もし絶食を可能とする魔法の液体だったら、世界の食糧問題を解決するすごい発見かもしれませんが、「絶食」ってとっても味気ないなぁと、大きく振れる体重計の針をよそに要らぬ心配をしてしまいます。

 

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