尿糖で糖尿病改善?

最近、一日の寒暖の差が大きいため、風邪や胃腸炎が猛威を振るっています。こまめな衣類の調節で、体調を崩さないようにお気をつけください。

スーグラ、デベルザ、アプルウェイ・・・・何の薬の名前か判りますか?

ニュースでご存じの方もおられると思いますが、新しい糖尿病治療薬なのです。

これらの薬は「選択的SGLT2阻害薬」と呼ばれ、これまでの糖尿病治療薬にない特徴を持っています。その特徴とは「尿糖を出す(糖尿にする)ことによって糖尿病を改善する」というものです。

初めて聞いた方は「??????」と頭を捻っていると思いますが、皆さんはどう思われますか?

種明かしをすると、腎臓で尿に出て来たグルコースを再吸収しているSGLT2を阻害することによって、尿中に糖が出ていく状態(糖尿)を作り出すことにより、血糖値を下げようというものなのです。

通常血糖が300mg/dlを超えてくると尿糖になるのですが、これらの薬を服用することにより、より低い血糖値でも尿中に糖が出ていく状態(糖尿)になり、血糖の上昇が抑えられるのです。

通常、尿糖は糖尿病にとって悪い物(血糖が上がっている証拠)なのですが、これらの薬を飲んで糖尿病を治療するには尿糖が出なければ始まらないのです。何だかややこしいですね。

日常診療でも、病態や治療によって検査値や症状の持つ意味は大きく変わり、上記のように持つ意味が全く逆になってしまうこともあルのです。検査値や症状ばかりに囚われずに、ご自身の病態や治療を意識してみると新しい発見があるかもしれませんよ。

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