幕末・明治の超絶技巧と医療

大阪では例年ですが、梅雨入りすると雨が降りませんね。(都合良く夜に降っているみたいですが・・・)エルニーニョ現象が起きているため、今年の梅雨は長くて冷夏かもしれないとのことです。去年が酷暑だったので、作物のことを除けばありがたいかもしれません。

さて最近テレビなどで良く取り上げられるので、目にした方も多いと思いますが「幕末・明治」の工芸品の緻密さには本当に驚かされます。その多くが輸出用であったため国内に残っておらず、気軽に見ることが出来ないのが残念です。

象牙のタケノコや金属で出来たヘビ、平面に書かれているのに立体に見えるクジャクなど、本物と見紛うような出来映えに、口から出てくるのはため息ばかりです。

「幕末・明治期の人は凄いなぁ」と言ってしまえばそれまでなのですが、何だか釈然としませんよね。道具や機械も高度化している現代で、どうして「幕末・明治の超絶技巧」に勝る物が作れないのでしょうか?

実は「幕末・明治の超絶技巧」が生まれる背景には、今とは比べ様もない極端な「円安」という経済的な背景があるとのことなのです。「超絶技巧」を駆使して時間をかけて作品を作っても、海外でそれなりの値段で売れれば、極端な「円安」のため数年間の給金に相当するお金が入って来る状況だったのです。

その後、徐々に「円高」が進んでくると、いくら良い物を作っても「数年間の給金」が得られるような事はなくなり、「幕末・明治の超絶技巧」は衰退の一途を辿っていったとのことです。

「幕末・明治」の職人さんの志が高かったことは疑いのない事実ですが、それを支える経済的な環境がなければどうしようもないこともまた現実です。

素晴らしい作品を見ながら、「このまま医療費が削られていくと志のある医療はどうなるのだろう・・・・・?」と一抹の不安が頭をよぎりました。






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