灰色の静脈

最近、蒸し暑い夜が続いていますがよく眠れていますでしょうか?十分に睡眠を取れないことが、思わぬ体調不良の原因となっていることもありますので、お気をつけください。また、湿度が高く汗が乾きにくいこの時期は、気温は高くなくても熱中症になり易い時期ですので、併せてご注意ください。

さて「青筋を立てる」などと表現される静脈ですが、実際には違う色だという記事が昨日出ておりました。

立命館大学の北岡明佳教授の研究によると、

「腕や脚を撮影し、画像処理ソフトで静脈の画像の色を調べたところ、実際は黄色がかった灰色だった。」

のだそうです。

「色の対比」といわれる現象があり、「赤い」ものに囲まれると「青色」が強調され、「青い」ものに囲まれると「赤色」が強調されるとのことです。そのため、赤色がかった肌色に囲まれた静脈は「青く」見えるのだそうです。

遙か昔から動脈と静脈を表すのにそれぞれ赤色と青色を用いる慣習がありますが、「実際は赤色と灰色にしなくてはいけないのだろうか?」と思ってしまいました。

私が以前勤めていた国立循環器研究センターのマークも「赤色で動脈循環」「青色で静脈循環」を表しているのですが、「本当は赤色と灰色の組み合わせ!」とばかりに絶句してしまいますね。(デザイン的にもクールでないですね。)

もし可能なら、北岡教授に次は脳の色を調べてもらいたいものです。その結果次第では、名探偵エルキュール・ポワロの名台詞「私の灰色の小さな脳細胞が・・・・・」が、循環器病研究センターのマークと同じ目に遭うのかもしれません。

そんなことを考えながら、キーボードを打つ手の甲に目を何度向けても、静脈がくっきりと「青い色」で目に飛び込んで来てしまいます。

皆さんも「それでも静脈は青い」と言いたい気持ちになりますよね。(ガリレオではありませんが・・・・)






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