月別アーカイブ: 2014年8月

一般社団法人 医療情報研究会

当医院の上の階には「一般社団法人 医療情報研究会」があるのですが、コンピュータやインターネットを活用して、より効率的な医療を目指して活動しております。情報工学の専門家と日々医療のあるべき姿について、日々熱い議論を交しています。

以前から、「医療」と「情報工学」の両方に興味のある人がいれば、リクルートしてくださいと頼まれていたのですが、どの様に見つければ良いのか迷っておりました。

本日、「ブログに何を書こうかなぁ」と頭を捻っていた時、このブログに書いて募集すれば「医療」と「情報工学」の両方に興味のある方が読んでくれるかもしれないと思い付きました。

早速、社団の方にどのような人が良いのか聞いてみましたところ・・・・・・

———————————————————————————————

やること
「医療ITを利用して、世の中をよくする」

欲しい人物像
ITの力で世の中をよくしたい人
なんでも楽しめる人
コミュニケーション能力の高い人
とりあえずやってみる人
世の中に存在しない物を生み出せる人

制作するもの
PC上でのプログラム
サーバー上でのプログラム
タブレットデバイスでのプログラム
デザイン全般

使う言語+ツール
Java,PHP,MySQL,MongoDB,Javascript
git,objective-c,swift

使うソフトウェア
Xcode,Photoshop,Illustratorなど

OS
Linux(Debian系が多い)
iOS
Mac

———————————————————————————————

との返事をもらいました。少しでも興味を持たれた方が居られましたら、当医院または社団のほうへご連絡いただけると幸いです。

.


黄砂と心筋梗塞

今回のブログの表題を見て、「また『黄砂』と『心筋梗塞』にどんな隠れた関係を先生は、披露してくれるのだろう・・・」と期待された方も多いと思います。残念ながら今回は「黄砂に曝露すると4日遅れで心筋梗塞が1.3倍に増加した。」という報告の話で、何の捻りもありません。(あしからずご了承ください。)

いずれにせよ「黄砂に曝露すると4日遅れで心筋梗塞が1.3倍に増加した。」という報告は、西日本に住む我々にとって注目に値すると思います。

この報告は、済生会福岡総合病院・地域医療機能推進機構九州病院・聖マリア病院・新古賀病院が参加して2003年4月〜2010年12月に、発症から24時間以内に入院した心筋梗塞症例連続3,068人のデータを解析した物だそうです。

対象の約8年間で黄砂は3月〜5月に合計75日観測されたとのことです。その他の大気汚染物質と比べ、特に入院の4日前の黄砂が心筋梗塞の発症と強く関連していることが判りました。

この報告を知って「これでは黄砂の日にはオチオチ外出もしていられない。」と思われた方がおられるかもしれませんが、ご安心ください。それは、「心筋梗塞」の素因のない方が「黄砂」に曝露しても心筋梗塞にはならないと考えられるからです。

「黄砂」による「心筋梗塞」の発症はまさに『最後の一押し』であって、何もない人をいきなり「心筋梗塞」へ陥れる程の影響は無いのです。

「症状もないし、心臓が悪いといわれたこともないし一安心!」と胸を何故下ろしている方、大丈夫ですか?心筋梗塞を起こす方の50%が、発症前は「何もない」と思っているのです。

「黄砂」ごときにやられてしまわないように、御自身の健康チェックをしませんか?

 

.


パンクと医療

今朝は、台風が南から送ってくる湿った風の影響か気温はそれ程でもないのに蒸し蒸ししますね。明日から明後日にかけては大雨の予想が出ております。外出時にはお気をつけくださいね。

さて今回はパンクの話なのですが、音楽好きの先生のことだから「パンク・ロック」なのかなぁと想像された方もおられると思いますが、自動車タイヤのパンクの話です。

先日読んだ記事で、最近自動車のトラブルの中でタイヤのパンクが多くなっていると書かれていました。昨年度のJAFの統計では32万件で、以前の平均より10万件程も増えているとのことです。

かかる記事を途中まで読んだ時に「どうしてなの?」と頭に「?」マークが沢山並んだのはいうまでもありません。「車の高性能化?」「タイヤの製造コスト削減の影響?」はたまた「温暖化によるゴムの劣化促進?」など、色々な原因が頭の中を駆け抜けていきました。

記事の続きを読んで、思いもよらなかった原因を聞かされ、「ポン!」と膝を打ちました。

実は、パンク増加の原因となったのは「セルフ式のガソリンスタンド」が増えたせいらしいのです。

以前は「タイヤの空気が減っているみたいなので入れておきますね。」とガソリンスタンドの店員さんが給油の度に「チラッと」チェックしてくれていたのがなくなり、結局パンクのトラブルが10万件も増えてしまったのです。

「チラッと」チェックすることを省いただけで、全体として大きな影響が出てしまったわけです。

医療の現場でも、健診の異常や不快な症状が出た時に、「チラッと」医院を受診していただけると大きなトラブルが減るのではないかと考えてしまうのは、少し飛躍しすぎなのでしょうか?

 

.


健康食品の機能表示

2015年度から、健康食品の「機能性表示」が解禁されるとの記事を読みました。どの様な形の「表示」が認められるかは、今後の議論によるのだそうですが、「大丈夫かなぁ」と少し不安がよぎります。

以前にあったことで覚えておられる方も多いと思いますが、テレビで「納豆が健康によい」と人気司会者が話すと、全国のスーパーから「納豆」が忽然と消えてしまうのです。中には、血糖値を下げるのに「納豆」が良いから納豆を食べるために、食べるご飯の量が増えてしまう本末転倒な状態に陥る人もいたのではないでしょうか?

というのも私が医者になりたての頃、腎臓の悪い方がテレビで見た「野菜スープ」が体に良いと毎日2リットルも作って飲んでいたそうです。腎臓の悪い方にとっては「水分の取りすぎ」と「カリウムの取りすぎ」は自殺行為に近いのですが、「野菜スープ」はまさに「カリウムたっぷりの温かい液体(水分)」だったのです。

もちろんその方はすぐに水分過多で入院になったのですが、高カリウムで心臓が止まらなかった事が幸いでした。退院時には、体重が15キロも減って別人の様になって帰って行かれました。退院の日に「もう野菜スープは飲みません」と言った時の笑顔が今でも忘れられません。

「健康に良い」といわれるものも、場合(その人の病態)によっては大変危険な物になる可能性があるのです。「○○は健康によい」と鵜呑みにせずに、「○○は△△だから◎◎して健康によい」とメカニズムまで理解しておく必要があるのです。

「素人にそんなことは判りません!」という声が聞こえてきそうですね。

そうです!!そのために我々が居るのです。是非、お気軽に健康相談にお越しください。

(注意書き)エビデンスの無いものについては、明確にお答えできない場合もあります。

.