黄砂と心筋梗塞

今回のブログの表題を見て、「また『黄砂』と『心筋梗塞』にどんな隠れた関係を先生は、披露してくれるのだろう・・・」と期待された方も多いと思います。残念ながら今回は「黄砂に曝露すると4日遅れで心筋梗塞が1.3倍に増加した。」という報告の話で、何の捻りもありません。(あしからずご了承ください。)

いずれにせよ「黄砂に曝露すると4日遅れで心筋梗塞が1.3倍に増加した。」という報告は、西日本に住む我々にとって注目に値すると思います。

この報告は、済生会福岡総合病院・地域医療機能推進機構九州病院・聖マリア病院・新古賀病院が参加して2003年4月〜2010年12月に、発症から24時間以内に入院した心筋梗塞症例連続3,068人のデータを解析した物だそうです。

対象の約8年間で黄砂は3月〜5月に合計75日観測されたとのことです。その他の大気汚染物質と比べ、特に入院の4日前の黄砂が心筋梗塞の発症と強く関連していることが判りました。

この報告を知って「これでは黄砂の日にはオチオチ外出もしていられない。」と思われた方がおられるかもしれませんが、ご安心ください。それは、「心筋梗塞」の素因のない方が「黄砂」に曝露しても心筋梗塞にはならないと考えられるからです。

「黄砂」による「心筋梗塞」の発症はまさに『最後の一押し』であって、何もない人をいきなり「心筋梗塞」へ陥れる程の影響は無いのです。

「症状もないし、心臓が悪いといわれたこともないし一安心!」と胸を何故下ろしている方、大丈夫ですか?心筋梗塞を起こす方の50%が、発症前は「何もない」と思っているのです。

「黄砂」ごときにやられてしまわないように、御自身の健康チェックをしませんか?

 

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