心不全と糖尿病と痴呆症

今週末から週明けにかけて台風が来るそうですが、予定されている運動会大丈夫なのでしょうか?もし、天気が持っても湿度が高く季節外れの「熱中症」が出なければ良いのですが・・・

以前から高齢者社会になって問題となっている痴呆症について書きたいと思っていたのですが、循環器医の専門外であり、躊躇(ちゅうちょ)しておりました。最近、痴呆症の話を聞いた時に「あれ?もしかして・・・・・」とひらめいたことがあったので、書いてみたいと思います。

もちろん単なる思いつきですので、実際にはどうなのか判然としませんが、敢えて書いてみますね。

以前にこのブログでも書きましたが「心不全」(心臓の動きが悪い状態)に対して治療する場合には、急性期には「心臓を動かす薬(強心薬)」が役立ちますが、慢性期には心臓の動きを抑える「β遮断薬」が投与されています。これは、「痩せウマに鞭」の状態を脱却して、心臓本来の快復力を期待する「臓器保護的」な治療と言えます。

また「糖尿病」の場合も、短期的に血糖を下げるには「インスリンを出す薬」が有効ですが、漫然と使い続けると、膵臓の機能が低下してインスリンが出なくなってしますのです。「糖尿病」の治療は「膵臓を保護する」ことに本質があるとこは、以前からこのブログを読んでいただいている方にはご理解いただけると思います。

では現在、「痴呆症」の治療はどうなっているのでしょうか?「痴呆症」は脳機能の低下と捉えられており、脳神経細胞の間で刺激をやりとりする「伝達物質」を増やすことにより脳機能を改善することを目標としているようです。

この治療は「心不全」や「糖尿病」に当てはめると、「急性期」や「短期的」な治療で、「臓器保護」という概念から外れているのではないかと、違和感を感じるのです。

もちろん脳は複雑で心臓や膵臓とは違うのかもしれません、しかし「単に機能を改善する治療」で痛い目にあってきた循環器医としては、「脳を保護する痴呆症の治療」があるのではないかと思ってしまいます。

皆さんはどの様に思われますか?

 

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