月食

10月8日の夜の「皆既月食」は多くの方が見られたと思いますが、台風明けの雲一つ無い空にぽっかりと浮かんだ満月が静かに欠けていく様子は、宇宙の広大さを感じさせます。本当に観測状況が良く、記憶の中にある月食の中でも、一番だと思いました。今回の月食は月が高く上がる前から欠け始めるものでしたが、大変良く見えました。

実は、当院の入っているビルの非常階段から東側を望むと、丁度ビルの谷間から環状線越しに生駒山が見えるのです。(大阪の地理に詳しくない方ごめんなさい。東側が開けているという意味です。)

実際に今回の月食を見られた方は記憶に新しいと思いますが、皆既月食は月がどんどん欠けていって最後に真っ黒になる・・・・・のではなく神秘的な赤銅色になるのです。子供の頃は、真っ黒にならないことが不思議でしたが、地球の大気で散乱された光が月を赤く照らしているのだそうです。(海外ではブラッドムーンと呼ばれます。)

ここまで読んで、単なる「月食」の説明をするためだけにブログを書いているとは思えないと考えが方は、もはやこのブログの上級者ですね。

もし、単に地球の大気で散乱した光が月を照らしているのであれば、月が完全に欠ける前の黒くなっている部分も、赤く見えるはずだと思いませんか?

実は、太陽の光は地球の大気で散乱されると同時に、少し屈折しているのです。(地球の大気がレンズの役割を果たしているのです。)それで、散乱された赤い光は地球が作る影より絞り込まれているので、月が完全に欠けてから、(少し時間が経って)ブラッドムーンになるのです。

理由がわかってスッキリするのですが、もし月に分厚い大気があったら・・・・・「日食」の時には地球からどの様に見えるのだろうと想像してしまうのは職業病でしょうか?

(実際には月には大気ほとんど無いので皆既日食の時には、辺りが真っ暗になり、空に星も見えて気温も下がります。)

 

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