月別アーカイブ: 2014年12月

年末のご挨拶

とうとう2014年最後のブログです。本ブログを始めてから、4回目の年末となります。毎週「何を書こうかなぁ」と頭を悩ませつつ捻りだしてきましたが、私の拙い文章が皆様に役立っているのか心配しております。医学的な考え方を少しでも身近に感じていただけているのであれば、望外の喜びです。

来年は、1月8日から再開予定ですが、よりパワーアップした「天の邪鬼」的視点で突き進もうと思っていますのでご期待ください。

「そもそもこのブログを書き始めたのは・・・・・」と書き始めると長くなるので、今年はこれまでにいたしたく存じます。

来年も良い年でありますように。


インフルエンザ 今年も

寒い日が続いていますが、体調大丈夫ですか?

ここ1−2週間の間に、大阪市内でもインフルエンザによる学級閉鎖が目立ってきたようです。それに伴って大人のインフルエンザも散見されています。今後、本格的な流行が始まる前に、冬休みで一旦落ち着く可能性が高いです。

インフルエンザの予防接種をしてから、免疫力が上がってくるまで約2週間かかるといわれています。年明けの本格的な流行に備えて、まだ接種していない方はお早めにどうぞ。

当院では、当日の予約でも薬剤が手配できれば打てますので、よろしければ一度お電話してみて下さい。

インフルエンザにかからないためには、第一に「うがい」「手洗い」ですが、「加湿」や「快眠」も大切です。先週辺りから忘年会のシーズンが宴もたけなわですが、気を引き締めてインフルエンザに罹りにくい環境作りを心がけ下さいね。

次回は、今年最後のブログ更新になります。年明けは1月9日から再開予定です。

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新しい抗生物質

本当に寒いと思っていたのですが、週末にかけてさらに寒くなるそうです。「ダメよ!・・・」とでもいいたい気持ちですね。

さて、前回は「耐性菌」について書いたのですが、タイムリーに関係する記事が出ていたので、紹介します。

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『MRSA:1分で99.99%殺菌 新しい抗生物質発見』
毎日新聞  2014年12月09日

ほとんどの抗菌薬が効かないメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を殺菌する効果のある新しい抗生物質を発見したと、浜本洋・東京大助教(微生物学)らの研究チームが8日付の米科学誌ネイチャー・ケミカルバイオロジー電子版に発表した。MRSAは院内感染が問題になっており、新薬開発が期待される。

ライソシンEの殺菌力は強く、既存の抗菌薬が投与後約30分経過してようやくMRSAを殺菌し始めるのに対し、1分で99.99%を殺菌できた。また、菌の細胞膜のみを破壊し、マウス実験では生体への悪影響がないことも分かった。
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このライソシンEと名付けられた強力な抗生物質、さぞやハイテクの技術で開発されているのではないかと、お考えの方も多いと思いますが、実は・・・・・・

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研究チームは約2年7カ月かけ、各地で採取した土壌中にいる約1万4000種類の細菌を調査。沖縄県の土から見つかった細菌が、MRSAを殺す抗生物質を作り出すことを発見し、ライソシンEと名付けた。
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もの凄くアナログな努力で発見されているのです。

MRSAは通常は常在菌として、健常人の鼻腔などに密かに住み着いているのですが、免疫力がおちると突然に増殖して、既存の抗生物質が効かないため肺炎や敗血症を引き起こすことのある厄介な細菌です。このMRSAを1分で殺菌するのはすごいですね。

臨床で使われるにはまだ10年ほどかかると思いますが、本当に待ち遠しいですね・・・・・・・・でも今までの経験からいうとライソシンEにも耐性菌という話になるのでしょうか?今から心配です。

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クレジットカードと電動アシスト自転車と耐性菌

今朝から急に寒いですね。風邪で来院される方が増えています。(当院ではインフルエンザはまだですが・・・・)お気をつけ下さい。

さて、皆さんの財布の中に多分1枚はあるであろう「クレジットカード」。画像が虹色に浮き出るホログラムや紫外線を当てると浮き出る文字など、色々な工夫がなされているそうです。それでも偽造、模造品による取引が年々増えているそうです。最新技術で、偽造や模造品を防止する策をとっても再び破られてしまう、終わりなき戦いだそうです。

「電動アシスト自転車」ですが、ご存じのようにバッテリーを積んでモーターを動かして自転車を漕ぐ足の力をサポートしてくれる主婦の強い味方です。この「電動アシスト自転車」、モータに付いている歯車の数を変えて、サポート力を変えたり、スピードメーターを誤魔化して早い速度までモーターを動かしたり、違法改造が絶えないそうです。メーカーも、トルクセンサーや改造しにくいスピードメーターを搭載したりして対抗しているのですが、敵も然る者・・・・・・・・

何だか、抗生物質と耐性菌の関係に似ていますね。新しい抗生物質が開発されても、どこからともなく耐性菌が現れる・・・・・・・MRSA(多剤耐性菌)が恐ろしいといっていた時代もいつの間にか過ぎ去って、MRSAに唯一効くといわれていたバンコマイシンの耐性菌も検出頻度が高くなっているそうです。

これらのイタチごっこ、いつかは終わるのでしょうか?

 

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