スタチンによる糖尿病リスク(2)

先週、桜の開花宣言が出たと思ったら、今日からの雨と風でもう桜が散ってしまうみたいです。儚いのが桜とはいえ、何だか寂しいですね。

さて、高脂血症の治療薬であるスタチン。あらゆる段階の糖尿病の方に投薬が推奨されている一方、フィンランドからスタチンの投薬が糖尿病の発症を46%も増加させるとの報告がなされ、何とも悩ましいと書いた前回でしたが・・・・・・・・・皆さんはどんな説明を考えられましたか?

私もザックリと考えてみたのですが、一見矛盾する両方のエビデンスが正しいとすると、

Ⅰ 2001年の研究で使われていたスタチンと違う種類のスタチンが上市され多く使われるようになっている現状から、新しく使われているスタチンが糖尿病発症に良くないかもしれない。

Ⅱ そもそもスタチン自体が、糖尿病の発症には悪いが糖尿病になった人には良い効果があるのかもしれない。

Ⅲ 研究に参加した人の、年齢・人種・性別などのスタチン以外の要因が強く働いたのかもしれない。

Ⅳ 各研究における「糖尿病」の定義が異なっていて、新しい研究ではより厳しく糖尿病を判定するようになっているかもしれない。

等々、が考えられます。どれもあまりしっくり来ないのですね。

ただⅣ番はスタチンはインスリンの分泌を少なくすることが基礎研究から知られているので、「β細胞の保護」を通して糖尿病の悪化を防ぐ可能性があります。そうなら、スタチンは軽い糖尿病にするが重症化をさせないので、一見矛盾した結果になっている可能性があります。

本当にそうなのでしょうか、もっと納得できる説明はないのでしょうか・・・・・・(つづく)

 

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