スタチンによる糖尿病リスク(3)

急に暖かくなって桜が散り始めたかと思ったら、冬のような寒さ・・・・・一体どうなっているのですかねぇ。

さて前回の続きで、糖尿病に良いはずのスタチンが糖尿病の発症を増やしてしまう矛盾(「スタチンによる糖尿病リスク(1)(2)を先にお読みください。)を私がどの様に考えたのかを説明します。

実は今回発表されたフィンランドの試験は、無作為割り付け(ランダマイズ)試験では無いのです。ですので端的に言うと、「スタチンを投薬されたので糖尿病が増えた」のか「スタチンを投薬される状況にある人が糖尿病になり易い」のか判らないのです。

単純化して言えば、スタチンが糖尿病発症を30%抑えたとしても、スタチンを投薬される様な病態(高脂血症)の人が40%糖尿病になり易ければ、見かけ上スタチンの投薬を受けた人は10%糖尿病の発症が多くなってしまうのです。

エビデンスの結果だけでなく、背景を読み解かないと困ったことになるのです。

と書いて、今回のシリーズを終えるつもりだったのですが・・・・・・・・・・・

無作為割り付け(ランダマイズ)試験でも、スタチンが糖尿病の発症を少しですが増やしている報告があったのです!?(フィンランドの研究とは違い9%程度ですが・・・・・)

皆さんに正確な情報をお伝えするため学術部の方にお越しいただき、公式にはどの様に解釈されているのかお教えいただきました。

次回請うご期待!!

 

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