スタチンによる糖尿病リスク(5)

朝は寒い感じがしますが、日が高くなるにつれ汗ばむような暖かさです。温暖の差が激しいこの時期は以外と疲れ易く風邪や胃腸炎で受診される方が増えております。お気をつけ下さい。

さて、前回の最後に書きました「何とも奇妙な曲線」について書きたいと思います。

そのグラフは、時間経過とともに糖尿病を発症した人の数を積み上げたグラフで、曲線が下にあるほど発症が少ないことを表している医学論文ではよくあるグラフでした。

確かにスタチンを服用した群の曲線が、スタチンを飲んでいない群の曲線を終始上回っていました。ところが、このグラフに表されている4年間のフォローアップ期間で、ちょうど2年目と4年目にスタチンを飲んでいない群の曲線が急上昇して、スタチン群の曲線に追いついているのです。

多分この研究では、2年目と4年目に、糖尿病発症の評価を必ずするように決められているが、間は担当医が任意に糖尿病発症の評価をするように決められていたのだと思います。

スタチンを服用されていない場合には、定期的な投薬がないため決められた日(2年目と4年目)にしか来院されず、任意の糖尿病発症評価が全くされていない人が多数含まれていたと考えられるのです。糖尿病発症の評価がされない限り、「糖尿病を発症した」とはいえないため、見かけ上スタチンを服用していない人の糖尿病発症が少なくなのです。

上記の理由で、この様なグラフを解析に用いられるカプランマイヤー法で有意差がでるのは頷けますが、2年目と4年目の数値を取ってみると有意差は無いと判断できます。

その他の試験を総べて見たわけではないですが、「 糖尿病に良いはずのスタチンが糖尿病の発症を増やしてしまう矛盾」は、「研究の方法」や「人為的な影響」といった妖怪のせいかもしれません。

・・・・・ウィスパーに聞いてみなくちゃ!!

ここまで考えて、やっと悩ましさのモヤモヤは霧散しました。

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