月別アーカイブ: 2015年7月

結果にコミット・・・・・

最近暑い日が続きますね。大阪は35℃の真夏日の予想です。梅雨の季節に湿りがちだったセミの鳴き声も、最近は「ビルにしみ入る」気がしますね。

さて今回は糖尿病の話なのですが、テレビCMの話から始めたいと思います。

最近盛んにテレビCMをしている「結果にコミット・・・」するダイエットなのですが、運動や食事指導をするのはもちろん、毎回の食事を携帯で撮影して会社に送信して、「食べ過ぎ」ていないかなどの
チェックを頻回にするのだそうです。

自分では、ついつい甘えてしまいそうな所を、他人にチェックしてもらうことにより達成率を上げることが「結果にコミット・・・・」の一つの方法なのだそうです。(決して安くないお金を払って、怒られるのも・・・・)

これを知って成る程と思っていたら、「頻回の電話支援で糖尿病発症が4割低下」という記事を見付けました。

日本で行われた、J-DOIT1試験の結果分かった事なのですが、1年間で10回程度の電話支援が、約5年間の追跡機間における糖尿病発症を41%低下させたとの事です。

やはり検査結果異常などを放置せず医師(他人)に判断してもらい、薬を飲まなくても定期的にチェックすることが大切だと改めて感じました。

「結果にコミットする!きむ循環器内科医院」と耳にしたら、受診したくなるものですかね?

 

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乗用車乗っ取り

台風一過、梅雨が明けたかと思ったらまた台風ですね。

さて今回は「乗用車乗っ取り」について書きたいと思います。「バスジャック」や「乗用車盗難」等の言葉は良く聞くのですが、「乗用車乗っ取り」はあまり耳慣れない言葉ですね。

実は以前のブログ「IP電話とPOS(レジ)システムと薬剤」で書いた、電話やレジスターの乗っ取りの続報なのです。(いつの間にか自動車も走る「コンピュータ」になっていたのです。)

インターネットの記事によりますと、
『16キロ離れた自宅からノートPCを使って同車のエンターテインメントシステムにコマンドを送信し、ダッシュボード機能や操舵、制動、変速装置を制御していた。車のエンジンを停止させたり急制動をかけたり、ブレーキを効かなくさせたりすることも可能だという。』

恐ろしいですね。

今後、色々なものがインターネットに繋がってくるとビックリするようなものが「乗っ取られ」て社会問題になるかもしれませんね。

以前のブログでも書きましたが、薬の効果を表面的に捉えて使用すると、思わぬところで足をすくわれる(「乗っ取られる」)羽目にあうかもしれませんね。

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女性の婚姻と急性心筋梗塞

大型の台風の影響で、昨晩から風と大雨が続いており何だか冴えませんね。台風一過、夏が到来してくれるのでしょうかね。

さて、以前のブログで独身男性に比べて、結婚している男性は健康だが、一夫多妻制の国で妻が複数人いると男性の心血管リスクが増えるとの研究報告について書きました。

では、女性の婚姻と健康についてはどうなのでしょうか?

我が国ではありませんが、米国における離婚と急性心筋梗塞の関係について調べた研究があったので紹介いたします。

1992年から2010年に成人1万5827人を2年ごとに追跡した研究で、急性心筋梗塞の発症について調べたとのことです。

結果を書きますと、女性では、1回の離婚歴があると急性心筋梗塞の発症率が24%増加し、再婚しても35%の上昇を認めたとのことです。(男性は再婚するとリスクが減少する。)

さらに2回以上の離婚歴がある女性では、心筋梗塞のリスクが77%も増加していたとのことです。

もちろん女性の急性心筋梗塞の発症率は全体に男性より低かったのですが、女性における心筋梗塞と婚姻との関連は男性のそれとは大きく異なっていたとのことです。

男性と女性でここまで違うとは・・・・・・・・・

 

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日本の心血管病死は先進国で最低水準

多くの台風が発生して、大荒れの天気ですね。気温はそれ程でもないのに、何とも蒸し暑いのが敵いませんね。

さて、経済協力開発機構(OECD)の6月の報告で、OECDに加盟する先進国の中で、我が国の心血管病死は、平均を43%下回っていたことが分かりました。さらに心血管病死の死亡率低下も、OECDの平均を上回っているとのことでした。

循環器疾患の治療に関わってきた者として大変晴れがましく思う結果のですが、実に困った事態も引き起こしているようです。

これまで死亡率を減らすために国家戦略として注目する疾患に「心血管疾患」は入っていたのですが、「それだけ死亡率が下がってるのなら、注目する疾患から外しても良いよね!!」と研究費等が得難くなっているとのことです。

先ほどの報告書でも、日本における糖尿病などの増加により、日本が今後も心血管病死亡率が最も低い国であり続けることには、多くの懸念材料が示されています。

通常トップに立ったらこれまで以上の努力が必要だと思うのですが・・・・・このままで大丈夫なのだろうか?

 

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胸骨圧迫のみの心肺蘇生術

今年の梅雨が本領を発揮したかのような、突然の雨と湿度で気分が晴れませんね。この時期、扇風機やクーラーをかけたまま寝てしまい風邪をひかれる方が、多いようです。お気を付け下さいませ。

さて、テレビドラマなどで心臓が止まってしまった人に対して、いわゆる「心臓マッサージ(胸骨圧迫)」と人工呼吸(マウス・ツー・マウス)を行って、人命が救われるシーンは定番と言って良いぐらいよく見かけます。

じつは最近、よく知られている「心臓マッサージ + 人工呼吸」よりも最近普及している「自動体外式除細動器(AED) + 心臓マッサージ」の方がすぐれているとの報告が我が国でなされました。

「人工呼吸」をする心理的障壁から対応が遅れてしまうよりは、「心臓マッサージのみ」を早期に開始した方が、上がるのだそうです。(特に心原性の心停止の場合は効果が大きいそうです。)

しかし、子供で心臓以外の原因による心停止では、従来の「心臓マッサージ + 人工呼吸」が優れているとのことです。

「心臓マッサージ」は少し練習すれば誰でも出来る(体力勝負ですが)簡単な手技です。是非機会がありましたら、積極的に習得してみてください。

ところでここまで書いてきて何ですが、「心臓マッサージ」は古い呼び方で現在は「胸骨圧迫法」といいます。胸骨を圧迫しても心臓の容量は殆ど変わらず、心臓はマッサージされていないことが判明したからだそうです。

イメージ的には「心臓マッサージ」の方が・・・・・・・・・

 

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