突然ですが、今年からインフルエンザワクチンの接種料金が全国的に上がっているようです。理由につきましては、当院のスタッフブログをご覧下さい。
さてネット上で色々と騒がれているようですが、「インフルワクチン:乳児、中学生に予防効果なし」との新聞報道がありました。
ビックリして記事を読んでみると・・・・・・・・・どうやら「効果を確認できない」→「効果無し」と判断しているように思われましたので、臨床研究における「効果を確認でいない」とはどの様な状態なのか書いてみたいと思います。
臨床研究における「効果を確認できない」は、色々なことを意味しています。
①実際に薬剤に効果が無い。
②症例数が少なく「統計的」に差が出ない。
③評価のばらつきが大きく、差がみられない。(ノイズに隠れてしまっている。)
④そもそも研究が実状の把握を目指しており、効果の確認を目的としていない。
等々・・・・・・・
決して「効果を確認できない」→「効かない」では無いことを覚えておいて下さい。
そこで、記事の基になった研究論文を取り寄せて読んでみますと、今回の「効果を確認できない」は『②症例数が少なく「統計的」に差が出ない。』との意味で書かれているようで、「乳児、中学生にワクチンが効かない。」との意味ではないのです。
またこの研究はランダマイズ研究ではなく、観察・コホート研究に近いので「ワクチンの薬効をダイレクトに評価」するものでは無かったようです。
「値段が上がったから」ワクチン接種をしないとの判断はあるとして、「この研究結果だから」インフルエンザワクチン接種を積極的にやめる判断は、個人的にしっくり来ないものがあります。
いずれにせよ、ワクチンには効果も副作用もあります。片方だけを強調すると歪な状態になってしまうのはいうまでもありません。
当院では、10月からインフルエンザワクチンの接種を行います。予約等につきましては、ホームページをご覧戴くか、電話でお問い合わせ下さいね。
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