ノーベル賞・・・・・理論と観察

科学分野で日本人のノーベル賞が相継いでいますね。多くの方の弛まぬ努力の結晶であることは報道で取り上げられており、ことさら付け加える事もないのですが、今回の受賞に関して違う側面から書いてみたいと思います。

今回の科学分野での二つの受賞ですが、「微生物」と「スーパーカミオカンデ(巨大検出装置)」と全く規模の異なる物なのですが、「観察の科学」として捉えると共通点があるのです。

大村先生は土の中の微生物を採取して、人類に役立つ物質を持っていないか気の遠くなるような数の「観察(実験)」を行い、ゴルフ場の土の中から寄生虫に効果のある物質を産生している細菌を見つけ出したのです。その物質を応用することにより10億人の命を救う薬を作ることが出来たのです。決して化学式を論理的に組み立てて、作り出したのではないのです。

また、ニュートリノの研究ですが、「スーパーカミオカンデ」の基となった「カミオカンデ」は論理的な計算で陽子の崩壊を確認するように設計されていたのですが、肝心な陽子の崩壊は見付けられず、これまで検出できなかった宇宙ニュートリノを観察したことで、小柴先生が2002年にノーベル賞を受賞しています。

さらに、「カミオカンデ」を改良して作った「カムランド」で原子力発電所から放射されるニュートリノを観測した結果が、今回の梶田先生の受賞に大きな役割を占めているのです。

湯川先生のノーベル賞受賞以来、日本では「論理の科学 >> 観察の科学」のイメージが強く、「観察の科学」は隅に追いやられていた感が否めませんが、今回の二つの受賞で「論理の科学 == 観察の科学」と言っても過言ではないと思います。

医学の世界では、我が国だけでなく「論理(証明)の医学 >> 観察の医学」との認識が蔓延しています。何とか科学の世界のように「観察の医学」の地位向上を成し遂げたいものです。

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