重力波と胃薬(2)

前回はアインシュタインの「一般相対性理論」に関係する「重力波」について説明しました。今回は、皆さんにもお馴染みの胃薬について解説する・・・・・・・・のではなく、重力波と胃薬の関係について書いてみたいと思います。

実は「重力波」と「胃薬」が直接関係するのではなく、非常に個人的な内容なので恥ずかしい上にアインシュタイン先生を引き合いに出して書くことに大変恐縮していることをお断りしておきます。

十数年前になるのですが私が国立循環器病(研究)センターに勤務していた時に、心不全で入院された方々のデータを「データ・マイニング」という方法で解析したのです。それまであまり医療に「データ・マイニング」を使った例は無かったのですが、大阪大学工学部の先生の協力を得る事で、実現したのです。

色々な知見が出て来たのですが、その中で最も驚いたものは「ある種の胃薬が心不全を改善する」との情報でした。(当時海外の雑誌にも取り上げられました。)

最近になって海外のグループが、その胃薬が心不全予防に役立つとの「前向き大規模研究」の結果を発表したのだそうです。「データ・マイニング」が医療の世界を探索する時の「羅針盤」になり得る可能性が増えたことと、十数年前の予測が実際に確認されたのです。

奇しくも海外グループの研究結果を知った翌日に、重力波」の直接観測が発表されたので、ビックリして大それたブログをつい書いてしまいました。

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