月別アーカイブ: 2016年3月

「忍者」ブランドと「アスピリン」

突然ですが愛知県が応募した「忍者募集」に、海外からの応募が殺到しているとの記事を見かけました。200件以上の応募の内、80%が海外からのものだったそうです。

オーディションの旅費が自己負担になるため、あきらめた人も多くおられた様ですが、海外での「忍者」ブランドは根強いものがあるなぁと再認識しました。

日本では、「忍者ハットリ君」や「忍たま」などのコミカルなイメージがあるのですが、海外では自己を鍛錬し困難を克服する「クール」な存在だそうです。

以前に読んだ海外のプログラミング教科書でも、「○○○Ninja(忍者)」というタイトルを付けて、初級の忍者が免許皆伝になる体で書かれていました。

「爆買い」も陰りが見えてきそうなので、「忍者」ブランドを活用すると大化けするかもしれませんね。

実は最近医療関係で、大化けしそうな物の一つが「アスピリン」なのです。

海外の大規模前向きコホート研究で13万6000人のデータ追跡の結果、アスピリンが消化管癌のリスクを8.5%低下させた可能性があると報告されたのです。

今後、よりエビデンスレベルの高い臨床研究や詳細な基礎研究が進めば、皆さんもお馴染みの「アスピリン」が、ビックブランドに大化けするかもしれません。

今後の研究成果に大いに期待したいものです。

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ハチにしか見えないのに・・・

まだまだ寒いなぁと思っていたら九州ではそろそろ桜の開花宣言が出るそうで、確実に春は近づいているのですね。

今回は、九州大学大学院1年生が、まるで蜂のような蛾を発見したのと話題です。

沖縄県北部にある国頭村で虫が飛んでいるのを見て、(私だったらそのまま無視・・・・バキ!!)
『後ろ足を下げてゆらゆらしと飛ぶアシナガバチとは違い、後ろ脚を後ろに伸ばしてゆっくりまっすぐ飛んでいた。虫好きじゃないと気付きにくかったのかもしれない。網の中のスカシバガは図鑑で見た覚えもなく、新種ではないかと心躍った。』のだそうです。

これまでも数え切れないほど多くの人がその姿を見ていたはずなのですが、普通の「アシナガバチ」としか思っていなかったのです。

飛び方のチョットした違いに気付いたのは、研究者としての資質がなせる業でしょうか?

診療でもかくありたいと思うのですが、病気で「見た目」が変わることは少ない(特に循環器領域では)ので、患者さんの自覚症状に頼る部分が大きくなります。

そんなわけでもし当院を受診されることがありましたら、「根掘り葉掘り聞いてきて、煩い先生だなぁ」と思わすにご協力お願いいたしますね。

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胃薬と認知症

ような暖かさが続いたと思ったら、朝晩とっても寒いですね。こんな時は体調管理に気をつかいますよね。

さて、今回のブログはある種の胃薬を長期に飲むと、認知症になる可能性が増えるとの報告について書きたいと思います。

高齢者7万人を対象としたドイツの前向きコホート研究で、プロトンポンプ阻害薬(PPI)を定期的に処方された人は処方されなかった人に比べ、認知症になる可能性が1.44倍高いとの結果が判明したとのことです。

この研究ですぐに胃薬(PPI)が認知症を増やしたとは結論付けられないのですが、何らかの関係があることは確かだと思われます。

データを見ていないのではっきりとは言えませんが、
①胃薬(PPI)の投薬が認知症を増やした。
②胃薬(PPI)が投薬されるほど胃の状態が悪い人は認知症になり易い。
③アスピリン潰瘍予防に投薬された胃薬(PPI)が見かけ上(血管性)認知症を増やした。
等色々考えることが出来ます。

今回の報告では、「PPI服用と認知症の関係性について、すでに報告されているマウスにおける研究で、PPIが脳血管関門を通じた脳のアミロイドベータ沈着を増加させることが明らかになっていることから、このことがリスクを有意に高めた原因ではないかと」考察している。(つまり①ばんの考え方・・・・・)

本当のところはどうなのでしょうか?

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宇宙に滞在すると背が伸びる

最近朝晩の寒暖差がますます広がっていますね。温度調節を上手に出来るように、着る物を工夫する必要がありそうですね。

さて先日ネットのニュースで、宇宙では無重力のため身長が伸びると話題に上がっていました。

ニュースによると宇宙飛行士のスコット・ケリーさんは1年間の宇宙ステーション滞在で身長が約5cm伸びたそうです。伸びた理由は「無重力で背中が伸びた」との事なのですが、何だか文学的な表現で分かったような、分からないような中途半端な想いに駆られました。

そこで、インターネットをググってみますと・・・・・・ありました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)のページに明確な答えが書いてありました。

『脊髄の椎間板(軟骨)が宇宙の重力から解き放たれた環境で伸びるからです。ひとつの椎間板あたり、約1ミリ伸びます。

しかし地球に帰還するとまた重力の影響でもとに戻ります。』

つまり「背中が伸びた」のは姿勢の変化などではなく、「脊柱が(実際に)伸びた」のです。椎間板は背中の骨の間に挟まっている座布団のようなもので、無重力状態で厚くなるのは十分に想像出来ます。(通常は1-2cm程度でスコットさんの5cmも伸びるのは珍しいそうです。)

でも、地球に帰還するともとに戻るそうですが、どれ位の期間で戻るのだろうか・・・・・・・・?
謎は深まるばかりですね。

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