「ウナギ」と「恵方巻き」と「抗生物質」

暑い日が続いていますが、昨晩は少し過ごしやすかったです。さて、来週の土曜日は土用の丑の日ですので、うなぎ屋さんに「長い」行列が出来ることでしょう。(本日は「大暑」にあたるそうです。)

土用の丑の日にどうしてウナギを食べるようになったかと言えば、諸説ありますが平賀源内(江戸時代の発明家)が発案したとの説が有力です。

夏の時期にウナギの売り上げが減ると相談された平賀源内が、「丑の日にちなんで、“う”から始まる食べ物を食べると夏負けしない」との当時の風習を上手に取り入れてウナギの宣伝を勧めたそうです。見るからに栄養のありそうなウナギと以前からある風習が上手に結びついて、「土用の丑の日にはウナギを食べる」との習慣が広がったそうです。

次に、節分にその年の「恵方」の方角を向いて食べると縁起がよいといわれる「恵方巻き」ですが、大手コンビニチェーンの影響からか、近年関西地区から全国に広がりを見せています。

元々は豆まきとセットになって「春」の節分(立春の前日)の行事だったのですが、先日コンビニで「夏の恵方巻き」(?)を宣伝していました。確かに節分は年四回(立春・立夏・立秋・立冬の前日)ありますので、「節分には恵方巻き」との強固なイメージから、年に4回売ろうとする商魂をみて微笑んででしまいました。

実は強固に結びついたイメージは良くないことも起こすこともあります。「風邪の治療」と「抗生物質」は強く結びついていて、処方する方も貰う方も当然のようになっていることがあります。

抗生物質は細菌に効果はありますが、大半の風邪の原因であるウィルスには効かないのです。効かないだけなら良いのですが、以前から書いているように抗生物質が効かない「耐性菌」の問題があるのです。

先日、愛知県で呼吸器内科に入院、通院中の患者11人から、複数の抗生物質が効かない新型耐性菌「カルバペネム耐性腸内細菌科細菌」(CRE)を検出したとの発表がなされました。

11人全員が症状もないとのことですが、病気や手術をした際に耐性菌が暴れ出すと命の危険に晒されてしまうのです。強固なイメージから来る抗生物質の乱用が主な原因と考えられています。

本当に恐ろしいですね。

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