がん光治療

先週はお盆で本ブログも休みでしたが、皆さんいかがお過ごしでしたか?
まだまだ暑い日が続いていますが、体調管理をして乗り切りましょう。

さて、がん細胞を免疫の攻撃から守っている仕組みを壊し、がんを治す動物実験に成功したとの報告がなされたので、今回はそれについて書いてみたいと思います。

がん細胞は周囲に「抑制性T細胞」を集め免疫を弱めることにより、生体で増殖し続けるのだそうです。そこで小林久隆・米国立衛生研究所(NIH)主任研究員らの研究チームは、「抑制性T細胞」に結合する抗体に近赤外線に反応する物質を付け、がんを発生させたマウスに注射した後近赤外線を当てる実験をしました。

光を当てた10分後から化学反応により「抑制性T細胞」が大幅に減少し、がん細胞への免疫細胞攻撃が始まったため、約1日でがんが消滅したというのです。(すごいですね。)

さらに驚いたことには、一匹のネズミに複数箇所のがんを発症させた場合、どれか一カ所に光を当てると他のがんも縮小するというのです。がんを異物として認識したリンパ球が血流に乗って全身のがん細胞を攻撃しているのでしょう。

全身の「抑制性T細胞」を破壊してしまうと、「自己免疫反応」がおきてしまい障害が起こる可能性があるので、がん細胞の周りの「抑制性T細胞」だけを破壊する今回の方法は他の臓器をリンパ球が攻撃せず「自己免疫反応」を起こしにくい特徴があるのです。

また、光を当てた部分だけでなく全身でがんに対する免疫を活性化できるので、転移先のがん細胞を効率的に破壊できるようになるかもしれません。

医療は治る手助けをしますが、最後に頼るべきは自分の免疫力(生命力)!! ですね。

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