ピオグリタゾンで膀胱がんリスク上昇しない

糖尿病治療薬であるピオグリタゾンの使用と「膀胱がん」の発症に関連が認められるとの報道が、以前なされた事を覚えておられる方も多いかもしれません。

かかる報道をみて、「薬を代えて貰った」と言われる患者さんが全国的に少なからず居られたとお聞きしております。また、フランスでは投薬禁止の処置まで取られたと記憶しています。

論文発表後も様々な議論が続いているのですが、今回欧州のグループが31万人のデータを解析した所、「ピオグリタゾンと膀胱がんの関連」が認められなかったと発表しました。

発端となった論文を当時読んだのですが、結果のデータを見ても「ピオグリタゾンと膀胱がんの関連」を明らかにしておらず、どちらかと言えば「関連があるように解釈も出来る」程度ではないかと感じておりました。

これまで何度も「関連がない!」との報告がなされる度に、色々な理由でピオグリタゾンを使えなくなってしまった患者さんが被った不利益はどうなるのだろうかと思わざるを得ません。

論文が「真実を追究する」目的で発表されたものであれば救われるのですが、もしかして「大人の事情」が関わっているのではと疑ってしまうのは世間に毒されているのでしょうかねぇ。

.






DDまっぷ ドクターブログ 一覧