月別アーカイブ: 2016年12月

「ポスト真実」(Post-truth)

今年も残すところ約2週間となりました。例年のごとく「今年の漢字」や「流行語大賞」等が発表されていますね。

海外でも同じ様な企画があるようで、英オックスフォード大出版局は16日、今年注目を集めた英単語として「客観的な事実や真実が重視されない時代」を意味する形容詞「ポスト真実」を選んだとの報道がありました。「真実や事実」より「個人の感情や信念」が優先されて、デマや嘘に近い情報に基づいて判断を下してしまうのだそうです。

日常のたわいない判断のみならず、英国のEU離脱の国民投票やアメリカ大統領選挙等の非常に大切な選択であっても「ポスト真実」は多大な影響をあたえたと分析されています。

政治の世界も大変だなぁと思っていたら、ネットの健康情報を調べてみると、正しい記事より誤解を招くような記事が、約200倍もシェア(964人対19万6千人)されていたそうです。

インターネットの普及で、簡単に情報が取れるようになったのは良いのですが、情報の質を確かめないと医療・健康の世界でもデマに踊らされてしまう危険性があると感じました。

「誰かが言っていたから」「ネットに書いてあったから」と安易に信じてはいけません・・・・・・このブログは大丈夫ですけど。

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来春のスギ花粉

12月に入っても、昼間日差しがあると「ぽかぽか」と暖かいですね。寒暖の差が激しいこの時期、着ていく物に一工夫必要ですかね。

さてNPO花粉情報協会は来春のスギ花粉の飛散量が西日本では、今年の2−6倍になるとの予想を発表しました。(今年が少なめだったので、過去10年の平均よりやや多い程度だそうですが・・・・)

花粉症の症状が長く続かない場合は、アレルギー性鼻炎等に使われる「抗ヒスタミン薬」を服用するのが一般的です。しかし、症状が長く続く場合や強い場合には「抗ヒスタミン薬」だけでは、症状のコントロールが上手くいかない場合があります。

「ヒスタミン」はアレルギー症状を引き起こす原因物質の一つで、「抗ヒスタミン薬」は効率的にアレルギー症状を抑えるのですが、ヒスタミンを放出する「肥満細胞」の活動は直接抑えられないのです。

一旦刺激された「肥満細胞」はしばらく簡単に活動が亢進するため、アレルギー症状が遷延したり強くなったリすることがあります。

そこで、「肥満細胞」の活性化に関係する「ロイコトリエン」を抑える薬剤を、症状が出る(「肥満細胞」が活性化される)前に飲んでおくと良いことがあります。

具体的には花粉症の症状が出る一ヶ月前から「抗ロイコトリエン薬」を服用しておき、症状が強い時期に短期間「抗ヒスタミン薬」を併用するのです。

以前は「抗ロイコトリエン薬」が高価であったことがネックでしたが、オーソライズド・ジェネリック薬(先発品と全く同じ薬でジェネリック扱い)が発売されたので、気楽に飲めるようになりました。

毎年花粉症でお困りの方、是非早めにご相談ください。

今あるジェネリック薬が全てオーソライズド・ジェネリックになれば、安心して投薬が出来るのですが・・・・・・・・難しいですかね。

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心臓発作のリスクが8倍!

昨日から12月ですが、どの様にお過ごしですか?先週からひき続き、咳風邪や胃腸炎で来院される方が多くおられます。インフルエンザの予防接種は「普通の風邪」や「胃腸炎」に対して予防効果はありませんので、うがい手洗いが大切です。

さて、イギリスで心臓発作を起こした1727人のデータを解析した論文が発表されました。その論文によると、「50歳未満」の喫煙者は同年代の非喫煙者に比べて、心臓発作を起こすリスクが何と「8倍!」もあるというのです。

年齢が上がれば、喫煙者と非喫煙者の心臓発作の差は縮小傾向にあるのですが、66歳以上でも3倍と高い数値だと報告されています。

さらに喫煙者が心臓発作に見舞われた年齢は、元喫煙者や非喫煙者に比べて平均で10歳も若かったとのことです。

サウスヨークシャーの50歳未満の喫煙率は25%程度とのことですが、心筋梗塞を起こした人では75%を喫煙者が占めていたと研究論文に記載されています。

「その喫煙、あなたと家族の未来を蝕んでいませんか?」来年の禁煙標語に応募してみましょうかねぇ・・・