月別アーカイブ: 2017年1月

動物の種(しゅ)を超えて・・・・

大寒波が襲ってきて、全国的に大雪が降ったり乾燥しているようです。空気の乾燥は火事を増やすだけでなく、インフルエンザの流行にも影響を及ぼします。東京では、インフルエンザが猛威を振るっているとのことこです。

さて、今回のブログは驚くべき細胞工学の技術について書きたいと思います。

紹介する最初のニュースは、米カリフォルニア州のソーク研究所などのチームが人間の細胞を含むブタの胎児を作ることに初めて成功したとのことです。

この技術が進んでブタの体内で人間の臓器を作ることが出来れば、移植医療に大きなブレークスルーをもたらすと期待されるのですが、現状では含まれる人間の細胞は少なく、ブタの細胞10万個あたり人間の細胞1個以下とのことです。

これはすごい話ですが、まだまだ解決しなければならない問題が多くあり私の生きている間には、実用化は無理と思っていました。ころが、すぐに日本からビックリするようなニュースが飛び込んできたのです。

東京大医科学研究所の中内啓光教授らの研究チームが、マウスの膵臓をラットの体の中で作成し、糖尿病のマウスにラットから取り出した膵臓を移植することで、マウスの糖尿病を治療したというのです。(通常は種(しゅ)が違うので、ラットの膵臓をマウスに移植しても免疫反応で拒絶されてしまいます。)

方法としては先ほどのブタの例と同じなのですが、中内教授らはラットの受精卵に膵臓を作れなくする遺伝子改変を行った上で、マウスの細胞を移植し膵臓でのマウス細胞の比率を飛躍的に高めたことにより移植可能となったようです。(移植後の膵臓では、僅かに残っていたラットの細胞は消えてしまうとのことです。)

これらのニュースが片方のみならそれ程驚かないのですが、上手に組み合わせれば(心臓の出来なくしたブタの受精卵に人間の細胞を注入して・・・・・)、心臓移植待ちの長いリストが消えて無くなるのを生きている間に見ることが出来るかもしれません。

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「高齢者」の定義とサザエさん

前回は寒波について書きましたが、寒さが続いていますね。それにインフルエンザが大流行中のようです。外出後にはうがい・手洗いを心がけてください。

さて日本老年学会と日本老年医学会が、現在「65歳以上」とされている高齢者の定義を見直したそうです。体力・生活機能などを科学的に検証した結果、以前より5−10歳の「若返り」が認められたとのことです。

このことを受けて、65〜74歳を「准高齢者」、75〜89歳を「高齢者」、90歳以上を「超高齢者」と定義しようと提言を出しました。(65〜74歳の方の定義は、冥王星が「準惑星」になったことを連想させますね。)

ところで「65歳以上が高齢者」であるとする現在の定義が、現状にあっていないことを実感する事例があります。それが、サザエさんの登場人物の年齢なのです。

磯野波平 54歳、磯野フネ52歳 (何と波平さんと藤井フミヤさんが同じ年齢?!!)

そう考えると、今回の提言は的を得ていると思えませんか?

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今シーズン最大の寒波

明日の土曜日から日曜日にかけて、今シーズン最大の寒波がやってくるようです。正月の暖かさも一変して大阪でも氷点下だそうですので、お気を付けください。

さて、14日・15日は大学入試センター試験(共通一次試験と言ってしまいそうになります)が行われるので、都市部に積雪があると交通が乱れて大変なことになるかもしれません。受験生のみならず警戒が必要そうですね。

この困り者である寒波の正体は、日本の上空5000メートル付近にある氷点下36度以下の強い寒気なのだそうです。しかし5Kmも上空にある寒気を直接知ることは出来ないので、気温の低下やどか雪などのかかる寒気が及ぼす影響を総じて「寒波」と理解しているのでしょうね。

そういえば、ウィルスが呼吸器官に感染を起こして、咳・痰・発熱・咽頭痛等を起こす病態を、通常は何のウィルスが感染しているか直接知ることが出来ないので、総じて「風邪」と理解するのに似ているかもしれません。

気温の低下や乾燥は「風邪」のもとです。今週末はお気を付けあそばせ!

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2017年 明けましておめでとうございます

新年明けましておめでとうございます。今年も、本ブログに温かい眼でお付き合いよろしくお願いいたします。

さて年明け早々インフルエンザが猛威を振るっているようですね。年末に比べて、ほぼ倍増の51万人と推計されているとのことです。

中でも、10歳〜14歳が8万人、5歳〜9歳が7万人程度で、富山県、群馬県、秋田県、埼玉県で一医院あたりの受診者が多いとの事です。

来週に冬休みが終わると、学校での大流行が予想されてます。マスクの着用や手洗いなどの感染予防を励行しましょう。

末筆ではありますが、今年も医学関係の話題を身近に感じていただけるように努力してまいります