動物の種(しゅ)を超えて・・・・

大寒波が襲ってきて、全国的に大雪が降ったり乾燥しているようです。空気の乾燥は火事を増やすだけでなく、インフルエンザの流行にも影響を及ぼします。東京では、インフルエンザが猛威を振るっているとのことこです。

さて、今回のブログは驚くべき細胞工学の技術について書きたいと思います。

紹介する最初のニュースは、米カリフォルニア州のソーク研究所などのチームが人間の細胞を含むブタの胎児を作ることに初めて成功したとのことです。

この技術が進んでブタの体内で人間の臓器を作ることが出来れば、移植医療に大きなブレークスルーをもたらすと期待されるのですが、現状では含まれる人間の細胞は少なく、ブタの細胞10万個あたり人間の細胞1個以下とのことです。

これはすごい話ですが、まだまだ解決しなければならない問題が多くあり私の生きている間には、実用化は無理と思っていました。ころが、すぐに日本からビックリするようなニュースが飛び込んできたのです。

東京大医科学研究所の中内啓光教授らの研究チームが、マウスの膵臓をラットの体の中で作成し、糖尿病のマウスにラットから取り出した膵臓を移植することで、マウスの糖尿病を治療したというのです。(通常は種(しゅ)が違うので、ラットの膵臓をマウスに移植しても免疫反応で拒絶されてしまいます。)

方法としては先ほどのブタの例と同じなのですが、中内教授らはラットの受精卵に膵臓を作れなくする遺伝子改変を行った上で、マウスの細胞を移植し膵臓でのマウス細胞の比率を飛躍的に高めたことにより移植可能となったようです。(移植後の膵臓では、僅かに残っていたラットの細胞は消えてしまうとのことです。)

これらのニュースが片方のみならそれ程驚かないのですが、上手に組み合わせれば(心臓の出来なくしたブタの受精卵に人間の細胞を注入して・・・・・)、心臓移植待ちの長いリストが消えて無くなるのを生きている間に見ることが出来るかもしれません。

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