困ったことが本当は・・・・・

「ジトジトとした日本の梅雨」と言われますが、今年は大雨と上天気のせめぎ合いのような移変りですね。例年と違う天気のために、新幹線が止まったり川が氾濫したり大変ですね。

さて今回は動物の話からです。

以前から「リスは自分が埋めた木の実の2割しか覚えておらず、忘れられた8割の木の実が発芽して森を維持している。」という話は知っていたのですが、最近面白い研究発表がなされました。

アフリカの草食動物ヌーはタンザニアとケニアの間を大移動するのですが、国境にあるマラ川を渡る時に川に流され毎年6000頭が溺死しているそうです。かわいそうにと思うのですが、溺死したヌーの体は、河川の重要な栄養源になっていることが明らかになったというのです。

医学の世界でも、厄介な痛みや発熱、不整脈などの症状が実は体の不調を早期に教えてくれる大事な役割を担っていることが多いのです。ですから安易に薬で症状をとってしまうのは良い治療とは決して言えないのです。

つらい症状を歯を食いしばって我慢する必要はないのですが、症状が出るかもしれないとの不安から薬を飲み続けて症状を消してしまい、自分の状態がわからなくなってしまうのは困ったものなのです。「症状がなくて、病気もない」状態が理想ですが、「症状がなくて、病気がある」状態は病気がし悪化しても気付かないため大変危険なのです。

病院に行こうと思わせてくれたあなたの「症状」もう少し大切にしてあげてくださいね。

.






DDまっぷ ドクターブログ 一覧