月別アーカイブ: 2017年7月

スポーツと健康

天神祭も終わって、暑さも一段落かと思ったのですが、まだまだ暑いですね。咳が続く夏風邪が流行っているようですので、お気をつけください。

さて様々な場面で活躍する運動選手ですが、鍛えられた筋肉など健康的なイメージを持っておられる方が多いと思いますが、実は違うのです。

例えば多くのマラソン選手は、貧血に苦しむといいます。長距離を走ることで、足の毛細血管で赤血球が破壊されるのだそうです。しかし貧血を改善する薬剤を使うとドーピングとなるので、貧血のために練習量を減らざるをえないこともあるのです。

今回、米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)選手の死後に提供された脳の99%に変性疾患の徴候がみられたとの研究結果が発表されました。研究のために死後に脳を提供した元NFL選手111人のうち、110人の脳に慢性外傷性脳症(CTE)の顕著な徴候が認められたそうです。

非常に高い確率で、大変驚きました。楽しみながらするスポーツと根本的に違うのでしょうね。華やかな世界の闇を垣間見た感じです。

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認知症三人に一人が予防可能?

本当に暑いですね。熱中症での搬送が先週さらに倍増しているようです。水分補給と安静を心がけてくださいね。

さて、このほど英医学誌ランセットに注目すべき研究が掲載されました。認知症の三分の一が予防できるというのです。

論文の筆頭執筆者は、「認知症は人生の後半で診断されるものだが、脳の異変は通常、何年も前から始まっている」と述べており、生活を見直すことで認知症の予防が可能だというのです。

興味深いことに、禁煙や運動・生活習慣の改善など「心臓に良いことは認知症(脳)にも良い」との事なのです!!

認知症の予防可能な要因のリスクの度合い

・中年期の聴力低下 9%

・中等教育の未修了 8%

・喫煙 5%

・うつ 4%

・運動不足 3%

・社会的孤立 2%

・高血圧 2%

・肥満 1%

・2型糖尿病 1%

上記を足し算すると35%になるとの事です。

当院で、心臓(血管)と認知症(脳)に良い事をしませんか?

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熱中症が倍増

先週7月3〜9日に熱中症で緊急搬送された人は、全国で4241人に上ったそうです。先々週に比べて約2倍の搬送があったとのことです。そのうち1割が重傷者で、数人の死者が出ていると消防庁から発表がありました。

搬送者の約半分が65歳以上の高齢者が占めており、消防庁は小まめな水分補給を呼び掛けているほか、屋内でも熱中症にかかるケースがあるとして適切なエアコンの使用を求めているそうです。

以前の記事をご参照ください。
熱中症対策:(前編) (後編)

こんなに暑い時は、運動時に十分な水分・塩分を取ったり、商業モールなど空調のある広い場所で運動するなど工夫が必要ですね。

 

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睡眠とアルツハイマー

なんだかすっきりしない天気が続いていますが、皆さんは大丈夫ですか?この時期、熱中症などが意外に多いのでよく睡眠をとって養生してくださいね。

さて今回は、睡眠とアルツハイマーの関係につて注目すべき論文が米国神経学会誌に報告されたので、取り上げたいと思います。

その論文では、「睡眠の質が悪いと脳内に老廃物や病変タンパク質が蓄積し、アルツハイマー病を引き起こす原因になる可能性がある」という研究結果が出たそうです。

平均63歳のアルツハイマーの無いヒト101人について、睡眠の質と脊髄液内のアルツハイマーに関連する様々なタンパク質との関連を調べたそうです。

結果として睡眠障害を訴える人ほど、タウ・タンパク質の病変や脳細胞の損傷および炎症の形跡が見られることが判明したとのことです。

夜間の睡眠障害だけでなく、昼間の眠気などもアルツハイマーの初期症状と関連が認められていると報告されています。

昔から言われていることですが、「早寝、早起き」!
健康に王道無しですね。

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