月別アーカイブ: 2018年3月

エキノコックス症

3月に最高気温が20℃を超えて夏日になる日がある一方、朝晩は寒さが身にしみます。桜の花は満開なのに・・・・なんだか季節がモザイクになっているように感じますね。

エキノコックスという寄生虫の話を聞いたことはありますか?「エキノコックス症」はかつて北海道の風土病と呼ばれ、キタキツネから人間に感染し肝臓に多くの囊胞を作る病気なのです。

北海道大学時代講義でもしばしば耳にしましたし、最初に見学した肝臓切除の外科手術が20時間に及ぶ肝臓の切除術で、その原因が件の「エキノコックス症」だったので、大変思い出深い病気なのです。

「肝臓の多発囊胞をみたら、エキノコックス症を疑い北海道在住歴を詳しく聞くように!!」と教授がお経のように繰り返し話しておられたことを思い出します。

ところが、最近になって愛知県で「エキノコックス症」の届け出が4件もあったそうです。愛知県の知多半島はかつて童話の「ごんぎつね」の舞台ともいわれ、かつてはきつねの一大繁殖地だったそうです。

一時キツネは全滅したものと思われていたのですが、少数が生き残っておりキツネから野犬にエキノコックスが感染し人間にうつったと考えられるとのことです。

外出後のうがい・手洗いや、野草をしっかり洗ってから食べることで、エキノコックス症を防ぐことができますので、北海道や愛知県の方はもとよりその他の地域の方も心がけてくださいね。

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腸のぜん動運動

週半ばの休日で、なんだか調子がでない金曜日です。朝晩の気温の低下が疲れに追い打ちをけけますね。

さて、今回は「腸のぜん動運動」について書きたいと思います。

生物学辞典によりますと「ぜん動運動」とは『消化管などが順次くびれることにより、内容物を移動させる運動』と書かれています。くびれを作ることにより、内容物が前に行ったり後ろに行ったり、捏ね混ぜ合せられながら、先へ先へと送られていくのです。

この「ぜん動運動」を利用して、中央大学と宇宙航空研究開発機構がロケットの固形燃料を効率よく作成する技術を確立したとの記事が出ておりました。

これまでは、容器の中で固形燃料の減量を混ぜ合せていたのですが、大量に連続して作れなかったり、金属製の羽で火花が出て出火したりする問題があったそうです。ぜん動運動を利用した方法では、容器を移し替えることなく連続して固形燃料を作ることが可能なばかりでなく、火花による出火の危険性がないのです。

この技術で固形燃料の値段が安くなれば、個人で宇宙旅行なんてできるようになるのかしらん?

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ホーキング博士

全国的に大荒れの天気ですね。明日の大阪は最低気温が4度で冬に逆戻りです。お気をつけください。

さて、車椅子の物理学者として知られるホーキング博士が亡くなられました。難病を患いながら、75歳まで宇宙の謎に挑み続ける人生でした。

全身の筋力が失われていく中で、僅かな唇の動きで音声合成機を使って言葉を紡ぎ出し、宇宙の謎に挑み続ける姿には畏敬の念を禁じえませんでした。

宇宙の誕生やブラックホールの性質など鋭い理論を数多生み出した博士ですが、強く印象に残っているのは「ホーキングパラドックス」として知られる、ブラックホールに関する矛盾の指摘です。

結局ホーキング博士の仮説は誤りだったのですが、「超ひも理論」が示す多次元の宇宙が存在しうることを鮮やかに示す現代物理学発展の端緒となったのです。

誤りであってもなお、真実に切り込む思考の力に感嘆したものです。医学の世界でそんな強い思考の力が持てたらなぁ・・・・・・・

最後になりましたが、博士のご冥福をお祈りします。

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オオカミなんて怖くない?!

4月の陽気だと思ったら冬に逆戻りですね。2月にしまい込んだダウンジャケットを、また引っ張り出してきました。

さて関西文化学術研究都市の国際電気通信基礎技術研究所のグループが、ヘビなどの恐怖を感じさせる生き物の写真を一切見せずに、学習訓練で恐怖を緩和できる方法を開発したそうです。

緩和学習をする人と別の人に、恐怖を感じさせる生物(ゴキブリや蛇など)の写真を見せて、脳の活動を「fMRI」で記録し、恐怖で引き起こされる脳活動パターンを人工知能で推定し抽出したとのことです。

緩和学習をする人に瞑想してもらい、「fMRI」のパターンが恐怖で引き起こされるパターンに近づくと、目の前にある「円」が大きくなる学習を繰り返したところ恐怖が軽減されたのです。

また、各々の生物に対する「fMRI」のパターンは異なっており、緩和学習したパターンを引き起こす生物にだけ恐怖が和らいだというのです。

すごい話ですよね。心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの治療が大きく変わる可能性があります。

仕事がストレスの人は上司の顔を緩和学習・・・・・・・・・・

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「のぞみ」の亀裂

3月に入って昼間はポカポカ陽気なのに朝晩はまだ寒いですね。こんな時は着るものの選択に困りますね・・・・・・風邪を召さないようにお気をつけください。

さて、新幹線「のぞみ」の台車に亀裂が見つかった問題で、製造段階から問題があったことが明らかになり、衝撃が走っていますね。

8ミリの厚さが必要な鋼材を溶接するために削ってしいまい、一番薄いところで4.7ミリになっていたとのことです。そのため強度に不足が起こり、今回の亀裂につながったようです。

「溶接する」という自分の仕事が出来なかった時に、本来は溶接できない部品の品質を改善するように要求すべきなのに、やっつけ仕事のように削って溶接してごまかしてしまったのです。プロフェッショナルとしての矜持も何もあったものではないですね。

昨今、日本のものづくりがレベル低下していると騒がれていますが、中小企業だけでなく川崎重工のような大手までもが経済効率優先になってしまい、先人たちが必死に築いてきた「日本品質」がおざなりにされているのかもしれません。

医療費がどんどん削られる現状で、医療の現場はプロフェッショナルとしての矜持を維持できるのかと心配になってしまいました。

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