11月も今日で終わりですね。明日からは「師走」ですが、来週は最高気温20℃の予報です。なんだか季節感が出ませんね。(そろそろクリスマスツリーを出さなければ・・・・・)
さて、ここのところニュースで騒がれている中国の「ゲノム編集受精卵による出産」ですが、ご存知でしょうか?
発表した研究者によると、遺伝情報を書き換えた(ゲノム編集した)受精卵から双子の新生児が誕生したとのことです。
ゲノム編集自体は研究室レベルで簡単にできるものですが、人間に応用することの倫理的な問題が取り沙汰されています。「倫理的な問題」と聞くと概念的なイメージだと思われがちですが、それだけではないのです。
もちろん、「ゲノム編集」の影響が予測できないため、新生児の将来に対して無責任であるという人道的な面が大きいのですが、今回の「倫理的な問題」には人類という集団で考えた場合にも大きな危険をはらんでいるのです。
「ゲノム編集」の影響で遺伝子そのものだけでなく、遺伝子環境(エピジェネティックス)が変化して思わぬ影響を与える可能性が指摘されています。
例えば「ゲノム編集」を受けた人がウィルスに感染した場合、ウィルスの凶悪化を引き起こしてしまうかもしれません。(インフルエンザウィルスの変異は人と豚と鳥が一緒にいることで促進されることが知られています。)
最近の研究では、遺伝子情報だけでなく遺伝子環境も遺伝するとの報告もあり、何世代も後になって影響が出てくる可能性があるのです。
人類の存亡に関わる取り返しのつかない状況を招き得る技術なので研究室外での応用は、慎重の上にも慎重に行わなければならないものなのです。
今後に注視していきたいと思います。
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