月別アーカイブ: 2019年5月

液体ノリで幹細胞培養

白血病の治療に必要な造血幹細胞ですが、これまで500ccで数万円もする培養液でも増やすことは難しく、現在はドナーの骨髄や臍帯血に頼っています。

臍帯血は量が限られており、ドナーの骨髄は全身麻酔で採取する必要から麻酔のリスクなどの問題があった。

今回、東京大学とスタンフォード大学のチームが、市販されている液体ノリの主成分であるポリビニルアルコール(PVA)で、マウスの造血幹細胞が効率的に培養することができると発表しました。

実際にコンビニで売られている液体ノリを用いて培養し、幹細胞を数百倍に増やした後、マウスに移植して実際に白血球などが作られることを確認したそうです。

この結果を人間に応用して大量培養が可能になれば、臍帯血の不足やドナーの負担問題を解決できる可能性があります。

液体ノリの中で幹細胞が増えるだなんて、びっくりですよね。

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熱中症に注意

5月というのに暑い日が続きますね。東京では連日猛暑日の真っ最中。大阪も暑いです。

このところ、熱中症で緊急搬送されることが増えているそうです。運動時には水分と塩分の補給を忘れないようにしてくださいね。

以前熱中症のことについてインタビューされた記事が残っていましたので、リンクを貼っておきます。

https://ddmap.jp/interview/naika/20110701_1i/

熱中症は、場合によっては命に関わったり、腎機能が廃絶して透析を余儀なくされる強い病態です。しかしちょっとしたケアで防ぐことができます。特に体調が悪い時の運動は屋内・野外に関係なく気をつけてくださいね。

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百舌の「はやにえ」

昼の暑さに比して、朝晩の気温低下が気になります。寝冷えして体調を崩す人が多いようです。お気をつけください。

大阪市立大学と北海道大学の共同研究チームが面白い発表をしたので紹介します。

百舌が捉えた獲物を木の枝などに刺す「はやにえ」ですが、これまでは餌が少ない冬の「保存食」と思われていました。今回研究チームが大阪の里山で行った調査で、はやにえの消費が寒さが続いている2月に少ないことから、単なる「保存食」では無いのではとの疑問が生じたとのことです。

研究チームは「はやにえ」の効果を調べるため百舌を三つの群に分けて観察したとのことです。

・はやにえを取り除いた「除去群」

・通常オスが消費するはやにえの3倍量相当の餌を与えた「給餌群」

・はやにえの数を操作しなかった「対照群」

はやにえを取り上げられた「除去群」では、オスのさえずりの詠唱速度が遅くなり、メスの獲得に失敗することが多くなったそうです。「給餌群」と「対照群」ではメスの獲得に差はなかったそうですが、餌をたくさん与えられ栄養状態の良い「給餌群」の方が詠唱速度も早く、早期にメスを獲得できたとのことです。

このことから、「はやにえ」は冬の栄養状態を改善し、「歌の質」を改善させる栄養食として働いていると考えられました。

食事の少ない冬でも、栄養食を確保して質の高いさえずりを行えるオスがモテる百舌の世界、なんだか人間の社会を見ているような気分になるのは私だけでしょうか?

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「オプシーボ」で副作用

長い連休いかがでしたか?リフレッシュして、仕事の効率が上がるかと思ったのに、なんだか乗り切れない感じがしています。休み癖がついてしまいましたかね。

さて、令和最初のブログは、ノーベル賞をもらった本庶佑先生の発見を基に開発された抗がん剤「オプシーボ」の話題です。

「オプシーボ」は「免疫チェックポイント阻害剤」と呼ばれる新しいタイプの抗がん剤です。ノーベル賞と合わせて、目が飛び出るほど高額な事で話題となりました。

今回「オプシーボ」投薬で11人に副作用とみられる下垂体(脳の一部)機能異常があり、うち1人が死亡したとの記事がネットに掲載されていました。

薬の効果や高価であることに惑わされて、手放しに「良いもの」と思ってしまいがちですが、薬には副作用が付き物だと改めて気付かされる記事ですね。

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