作成者別アーカイブ: きむ循環器内科医院

魚と大動脈

北海道では、氷点下の所もちらほら・・・・・・急激な温度変化で体調を崩さないようにしてくださいね。

さて、国立がんセンターと筑波大の研究グループが興味深い研究発表をしたので、取り上げてみたいと思います。

食習慣についてのアンケートに基づく観察研究で、食事と生活習慣病の関連について、国内の36万6千人を10〜22年間にわたって調べたとのことです。

その結果、魚を「ほとんど食べない」と答えたグループの人たちは、大動脈瘤や大動脈解離で死亡する頻度がおよそ2倍高かったと報告しています。

動脈硬化により大動脈に瘤や亀裂ができる病気で、破裂すると大出血して命に関わる病気で、石原裕次郎さんや司馬遼太郎さんの例が思い出されます。

以前から魚には動脈硬化を予防し、血管を守る成分が含まれていると知られており、そのことが影響していると考えられます。

サンマの美味しい季節です。血管病予防に魚を食べませんか?

.


ネイチャー誌、サイエンス誌の9割は嘘?(2)

今朝は急に冷え込んで、半袖では肌寒い感じですね。あれだけ暑かった夏は何処へやら・・・ですね。

前回の続きになりますが学術論文の「事実と違う」ことと、「捏造・作り話」とは何が違うのかを説明したいと思います。

科学論文に「捏造・作り話」はあることは否定しませんが、ノーベル賞を受賞された京大名誉教授の本庶佑先生のいわれる「嘘」は違う意味なのです。

医学系の科学論文の成り立ちは簡単に言ってしまえが、「これこれの条件で」=「〇〇が分かりました。」との形式になるのです。もちろん「〇〇が分かりました」の部分を事実と違うことを書けば、「捏造・作り話」になってしまいます。

難しいのは「これこれの条件で」の部分なのです。体の中でどのような条件が成り立っているのかははっきりしないので、各研究者も手探りで条件を決めていくのです。

研究の結果「〇〇が分かりました。」と学術論文に報告されるのですが、「これこれの条件」が本当に生きた細胞や生体内で成り立つのかは保障されていないのです。もし成り立っていても、ごく短い期間だけで、影響がほとんど見られないかもしれません。

この「事実と違う(実効性がない)」ことが、本庶佑先生の「嘘」との表現になったのだと思います。

少し込み入ったはなしになってしまいましたが、学術論文の「嘘」の種類についてなんとなく感じていただけたでしょうか?

.


ネイチャー誌、サイエンス誌の9割は嘘?(1)

また週末に台風ですね。早々に運動会を月曜の休日に延期する学校もあるようです。電車などの予定運休など、対応が以前より早くなっていますね。

今週の話題といえば、もちろん京大名誉教授の本庶佑先生がノーベル医学・生理学賞を受賞したことでしょう。抗がん剤の「オプシーボ」開発の端緒となったDP−1を1992年に発見したことに対しての受賞だそうです。本当におめでとうございます。

会見で名誉教授は以下のように話されたと、記事になっていました。

『自らの研究に対する姿勢を問われると、好奇心と「簡単に信じないこと」の重要性を強調。「(科学誌の)ネイチャーやサイエンスに出ているものの9割は嘘で、10年経ったら残って1割」と語り、自分の目で確かめることの大切さを説いた。』

ここでの「嘘」という表現は「捏造」や「作り話」という意味ではなく、「事実」と違うという意味なのです。

「やっぱり『嘘』じゃないの?」という声が聞こえてきそうですね・・・・・・・・嘘は嘘なんですけど科学論文についての説明から始めないと言葉遊びに聞こえてしまいそうですね。

長くなりそうなので、続きは次回といたしたく存じます。

.


風疹抗体検査

朝晩はめっきりと冷え込んできましたね。お風邪など召さないようにお気をつけください。

さて、関東を中心に風疹が流行しています。

「国立感染症研究所は26日、風疹の患者が10~16日の1週間で127人増え、今年の累計で642人になったと発表した。患者報告は2週続けて100人以上となり、流行が続いている。

都道府県別で新たな患者が多かったのは、東京39人▽千葉38人▽神奈川14人▽愛知、茨城8人▽埼玉7人--の順。患者の内訳は30~50代男性が多く、感染研は免疫の有無を調べる抗体検査や、ワクチン接種を呼びかけている。」

この流行を受けて、厚生労働省は来年度から「30~50代男性の風疹抗体検査」を補助すると発表しました。国と自治体が半分づつ負担する見通しとのことです。

大阪市など自治体によっては独自に補助を始めているところもあり、該当する方は早めに抗体検査を受けられることをお勧めします。


母乳哺育

季節の変わり目に、体調を崩している方が多いようです。風邪や胃腸炎を予防するためにうがい、手洗いを忘れずに!

さて、米カンザス大学から興味深い報告がなされました。母乳哺育を行った母親は将来の脳卒中のリスクが低下するというのです。

閉経後の女性8万191人(平均年齢63.7歳)を平均で12.6年追跡したところ、母乳哺育歴のない女性に比して、1−6ヶ月で19%、6ヶ月以上でおよそ29%脳卒中の発症が少なかったと報告しています。

脳卒中の他にも、別の研究で母乳哺育で母親の認知症発症が抑制されるとの報告もされており、母乳哺育は子供だけでなく、母親にも様々なメリットをもたらす可能性があるのです。

父親に何かメリットは・・・・・なんだか損した気分ですね。

.


医療に関する情報

今年の酷暑は何処へやら、朝晩肌寒いぐらいの気候ですね。季節の変わり目で、風や胃腸炎で受診される方が増えております。お気を付けください。

さて、今回は「医療に関する情報」について書きたいと思います。

インターネットの普及に伴って、誰でも簡単に「医療に関する情報」を手に入れることができるようになって来ましたが、手に入れた情報の信憑性を判断することが、大変難しくなっています。

例えば、「ピロリ菌除菌中は禁酒が必要か?」という質問に対して、色々と調べた結果95%の人が『禁酒が必要である。』と間違った回答をしたそうです。誤答をした人の3割は医師などの医療者に聞いたのに正解にたどり着けなかったとのことです。

日本ヘリコバクター学会のガイドラインでは「アルコールの摂取は除菌率に関係しない」と明記されているのですが、二次除菌治療の場合は「禁酒指導は徹底させる必要がある」と書かれており、「除菌中は禁酒」のイメージだけが記憶に残ってしまうのでしょう。

感覚的にも、二次除菌で「禁酒」が必要なら、一時除菌でも「禁酒は」一寸は良いことをするのではないかと思いますよね。

「医療に関する情報」は頭で考えたことと、事実が異なることも多々あるものなのです。

とかく医療はややこしい・・・・・・・・・

 

.


世界で14億人が運動不足

台風に地震と天災が続いていますね。被害を目の当たりにして、改めて危機管理の重要性を痛感しました。

さて全世界で190万人の運動量についての追跡調査をWHO(世界保健機関)が行ったところ、世界の女性の3分の1、男性の4分の1が運動不足による心筋梗塞や糖尿病のリスクにさらされていることが判明したそうです。

運動不足の基準は良くわかりませんが、この傾向は2001年以来変わっていないとのことです。近年各国での健康ブームや公衆衛生当局が積極的に取り組みにもかかわらず、改善していないのです。

WHOは論文の中で「運動不足は非伝染性疾病の主要な危険因子であり、心の健康や生活の質にも悪影響を及ぼす」と警鐘を鳴らしています。

「この週末には体を動かしてみようかしらん!?」と思いました。

.


セミの羽で細菌を串刺し!

また大型の台風が向かってきていますね。毎回「最大級の注意を!」と言われると、狼少年のように思ってしまいますね。

さて、関西大学の研究チームが、クマゼミの羽にある微小な突起を再現することで、抗菌作用を発揮する材料を作り出すことに成功したとの記事が出ていました。

クマゼミの羽には200ナノメートルの突起が1マイクロメートルあたり30〜40個規則正しく並んでいて、水を弾いたり光の反射を抑えて羽を透明に見せたりすることが知られているそうです。

羽に細菌が付着すると、この突起が生け花の剣山のように突き刺さり、細胞膜を破壊することにより細菌を死滅させるのです。実験では24時間後の大腸菌の生存率は1%を大きく下回ったとのことです。(99%以上除菌!)

薬剤や金属を使わないので、耐性菌やアレルギーの問題もなく殺菌できるのは素晴らしいですね。

製造コストの問題など解決しなければならない課題がまだまだあるそうですが、市場に出てくるのが楽しみですね。

.


月面に水があった!

昨晩台風20号が大阪を通過しましたが、今年は台風の発生数が多いばかりでなく、本当に珍しい三重県に上陸して西進する異常なものも出現して、変な感じですね。

さて、以前から月の岩石に水分が含まれているとの報告がありましたが、先日NASAが月を周回しているインドの探査機のデータから、月の両極に大量の氷があることを直接確認したとの発表を行いました。

NASAの長官は、「月面に何千億トンもの氷が存在すると分かった」と述べたそうです。

月面に水があれば、飲用水として利用したり、ロケットの原料や電気分解して酸素の原料にすることができます。月面活動に必要な水を全て地球から運ぶことは、経済的にも技術的にも困難であることを考えると、月面基地のハードルが一つ無くなるかもしれません。

アニメの世界だと思っていた月面都市「ルナシティ」がもしかしたら、実現するかもしれませんね。

.


クロップマーク

当院ではお盆の連休も終わり、本日より通常診療を行っております。

今朝は涼しい風が吹き抜けて気持ちよかったですが、本当に暑い夏でしたね。熱中症で運ばれる方が急増したとのこと・・・・・暑くていいことないなぁと思っていたところに、思わぬ記事を見つけました。

英国でも数十年ぶりの猛暑に見舞われていたのですが、その猛暑のおかげで新しい遺跡の発見が相次いでいるとのことです。その中には数千年前の新石器時代のモニュメントなども含まれ、話題になっているとのことです。

どのように猛暑が遺跡発見に役立つのでしょうか?

実は遺跡などが埋まっていると地下環境が変わるため、植物の生育に周辺との差が出るのだそうです。この目印を「クロップマーク」と呼んでおり、遺跡発見の手がかりになるのです。猛暑のせいでクロップマークが目立つようになり、相次ぐ遺跡の発見につながっているとのことです。

猛暑が役立つこともあると思うと、何だが爽やかな気分になりますね。

でも、数千年前の人類の営みが現在にも影響を及ぼしていると考えると、化石燃料の使用による地球温暖化がいつまで影響を及ぼすのか心配になりませんか?

.