カテゴリー別アーカイブ: 健康危機

バグパイプ内の菌が原因で死亡?

驚きのニュースがネットに載っていました。イギリスでの事だそうですが、伝統的な楽器であるバグパイプを演奏していた男性が、過敏性肺炎で亡くなったそうです。肺疾患の原因が、バグパイプ内の菌だというのです。

「そんな危険な菌がバグパイプの中で繁殖するのなら、今までどうして問題にならなかったのかしらん?」と考えながら記事を読み進めました。

亡くなった61歳の男性は毎日バグパイプを吹いていたそうですが「7年間にわたり乾性のせきと息苦しさに悩まされていた。」のだそうです。つまり菌自体に強力な毒性があるわけではなく、長期のアレルギー反応の結果として、肺が悪くなってしまい不幸な結果になったのです。

当然のように身近にあり毎日吹いているバグパイプが、体調不良の根本である事を想定することは大変難しいと思います。

不整脈などの原因が分からず、不安を抱えて居られる方がいますが、身近で意外なものが原因になっているかもしれません。あなたにとっての「バグパイプ」どこかに潜んでいませんか?
(疲れ目や肩こりなど、一見不整脈と関係無さそうなものが症状に大きく影響していることもありますよ。)

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ジカ熱対策

リオオリンピックの開催が目前ですが、開催国ブラジルで流行している「ジカ熱」が話題に上ることが多いですね。感染すると脳症の危険があったり、妊婦が感染すると「小頭症」の子供が生まれる確率が高くなったりするとのことです。

「日本脳炎」と同じで、ウイルスを持った蚊に刺されることによりジカ熱に感染するのです。このジカ熱を何とかしようと色々な方面から対策が取られているようです。

欧州の研究チームが、ジカ熱ウイルスを攻撃する抗体を2種類発見したとの報告をしたようです。
この抗体は、ジカ熱ウイルスと近縁のデング熱ウイルスに有効に作用するそうです。この抗体を研究すれば「ジカ熱・デング熱」のワクチンが作れるかもしれないのですが、実用化には時間がかかるようです。

今回研究したデング熱抗体の中には、ジカ熱ウイルスを爆発的に増やしてしまうものも多くあり、メカニズムの研究が必要とのことです。

ジカ熱対策については、全く異なる分野からのアプローチも為されているようです。

コンピュータのオペレーティングシステム(OS)大手の「マイクロソフト」が、なんと蚊取り機を作ってジカ熱対策をしているというのです。

詳細はネットでググっていただければ書いてあると思うのですが、蚊をおびき寄せた後赤外線を照射して蚊の種類を判別し問題となる「蚊」だけを捕らえることができるそうです。その時の気温や湿度を同時に記録し、「蚊」の発生を抑える研究に役立てるそうです。このハイテク蚊取り機はマイクロソフトが作っただけあって、コンピュータが搭載されているそうです。(「Intel in It.(インテル入っている)」かどうかは知りませんが・・・・・・)

日本の医療にも色々な業種からのアプローチがあれば面白いのになぁと思ってしまいました。

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スーパー耐性菌

6月に入りましたが、朝晩は肌寒く東北では最低気温が氷点下になったそうです。明け方には毛布が必要なぐらいですね。

さて米国の話ですが『全既存薬が効かない「悪夢」のスーパー耐性菌』の感染が初めて確認されたと米疾病対策センター(CDC)が発表しました。

昨年末に中国でブタや牛にスーパー耐性菌が広がりつつあると医学誌「ランセット感染症ジャーナル(Lancet Infectious Diseases)」に論文が掲載されており、将来的には「世界中に拡大する恐れがある」と警告していた矢先でした。

本当に恐ろしい話で、ペニシリンが約100年前に使わて劇的に死亡率が下がった以前の世界に逆戻りしてしまう可能性があるのです。

この様な耐性菌が蔓延するのは「抗生物質の使いすぎ」が原因であることは明白です。しかし多くの場合「経済」的な理由から「抗生物質の乱用」は収まらないのです。

自分だけ「抗生物質」の利用を控えても仕方が無いのでは?と思われる方も多いと思いますが、実は「スーパー耐性菌」は生存に不必要な「抗生物質耐性遺伝子」を持っているため、耐性の無い普通の菌と比べて弱い菌なのです。

抗生物質で普通の菌が弱っていなければ、「スーパー耐性菌」が割り込んでくる可能性を減らすことが出来るはずなのです。

抗生剤止めますか、それとも・・・・・・・・・恐ろしくて書けないです。

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健康危機-7 世界でのポリオ根絶

梅林が華やかになって、順調に春の足音が近づいていると思ったら、真冬のような寒さが続きますね。お風邪など召さないように、お気をつけください。

さて、昨年12月17日にアメリカ疾病対策センター(CDC)が発表した、2014年の健康危機の重要課題を5項目の最後の項目である「世界でのポリオ根絶」について書きたいと思います。

ポリオ(Acute poliomyelitis、急性灰白髄炎)とは、四肢の麻痺を特徴とするため小児麻痺とも呼ばれている疾患です。1988年のWHO(世界保健機構)総会において、2000年を目途に地球上からポリオを根絶する決議が採択され、各地域で戦略が進められてきたのですが、未だポリオ患者の発生の続く国が残っています。

政治的・経済的不安定やワクチンに対する不信感などにより、当初の達成目標から大きくずれ込んでいるのが現状のようです。(詳しくは、ネットでググってみてくださいね。)

そういえば最近、ウィルス関連でビックリするようなニュースが流れました。「3万年前の永久凍土から過去最大サイズのウイルスが復活」したというのです。

発見者らは、

「3万年前の生物が活動を再開したこの発見は、何万年もの間眠っていた有害な病原菌が現れる可能性を示唆しています。天然資源の発掘や温暖化の影響で北極などの永久凍土が溶けた時に、起きうる可能性を考慮するべきです」

と警告しています。

この記事を読みながら、未知のウイルスは置いておくとしても、ポリオ根絶については根絶したら終わりでなく「根絶し続ける」不断の努力が必要なんだと得心しました。

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健康危機-6 10歳前後の少年少女に対するヒトパピローマウィルス(HPV)ワクチン接種の啓発と接種率の向上

最近、大気汚染物質の濃度が急上昇しているとの報道が相継いでいます。不必要な外出や野外での激しい運動を避けるように、警告が出たりしているようです。そんな様子を視るにつけ、子供の頃「光化学スモッグ」警報が出ると校庭には子供達の姿が無くなり、朝礼台の上に緑色の旗が所在なげに佇んでいる光景を思いまします。(30代以下の人は知らないかも・・・・・・・)

さて、今回はヒトパピローマウィルス(HPV)ワクチン接種の話なのですが、医師である私にも判りにくい状況になっています。

海外ではここで取り上げているように、アメリカ疾病対策センター(CDC)が2014年の健康危機の重要課題5項目の一つに選ぶぐらい重要な医療政策として推進されています。それはヒトパピローマウィルス(HPV)ワクチン接種によって、将来的な子宮頸がんの発症を予防できるからです。ただこのワクチンはHPVに感染する前に接種しなければ効果が無いので、10歳前後の少年少女に対して積極的に接種する必要があるのです。

日本ではワクチン接種による慢性疼痛などの副作用が報告されると、急激にワクチン接種に対する積極性が失われて、厚生労働省も「積極的な推奨はしない。」といった類の報告をしています。

「打つべきか?打たざるべきか?それが問題だ!」と保護者に判断を丸投げしているのですが、どうにも判断のしようが無いと思います。子供の健康に関わることですので、危険性(リスク)と利点・恩恵(メリット・ベネフィット)を明確にする必要があると思います。

「いつまでも結論は闇の中」では済まされないのではと思うこの頃です。

 

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健康危機-5 感染症の世界的拡大に備えるためのグローバルヘルスの充実

二月も半ばを過ぎこれから徐々に温かくなっていくそうです。院内は空調が効いていて快適なのですが、医院への行き帰りに自転車で感じる風は、まだまだ冷たくて、春の息吹を感じるどころではありません。皆さんには春の足音が聞こえていますか?

さて、乗り物などの技術革新によって「地球は小さくなった」と言われるようになって久しいですが、感染症にとっても「地球は小さくなった」のでは無いでしょうか?記憶に新しいところでは、新型インフルエンザや新型肺炎(SARS)等がありますね。

ネットを調べてみますと、感染症の流行に段階があるそうです。

1.エンデミック(地域流行):一部の地域で流行
2.エピデミック(流行)  :近接した数カ国での流行
3.パンデミック(汎発流行):世界的・凡発的に流行

感染症は罹患した人が多ければ多い程、指数関数的に広がっていきますので、上記の数字が大きくなると深刻な状況になっていくことはご理解いただけると思います。

パンデミックを引き起こしやすいと考えられる感染症の特徴は「人から人へ空気感染」を起こすタイプで、感染してから症状が出るまでの期間(潜伏期間)が長いものです。(すぐには症状が出ないので、検疫で感染症の流入が抑えられない。)

パンデミックが心配されている疾患としては、炭疽、鳥インフルエンザ、クリミア・コンゴ出血熱、デング熱、エボラ出血熱、ヘンドラウイルス感染症、肝炎、インフルエンザ、2009年のインフルエンザ(H1N1)、ラッサ熱、マールブルグ熱、髄膜炎症(en:Meningococcal disease)、ニパウイルス感染症、ペスト、リフトバレー熱、重症急性呼吸器症候群 (SARS)、天然痘、野兎病、黄熱病、の19疾患があるそうです。

もちろん自分達が感染症に罹患しないことも大切ですが、他国の人達も感染しないようにしなければパンデミックの危険性(リスク)を下げることは出来ないのです。その意味から、裕福な国だけに止まらない、グローバルヘルスの充実が必要なのです。

 


健康危機-4 処方鎮痛薬の乱用および過剰使用

先週は首都圏で大雪が降り交通が大混乱しているのをニュースで視て「大変だなぁ」と思っていたら、ここ大阪も今朝から大雪で結構積もりそうな雰囲気です。交通の乱れが最小限ですめば良いのですが・・・・・

さて、今回のブログは「処方鎮痛薬の乱用および過剰使用」についてです。

以前のブログで「予防薬と治療薬」について書いたと思うのですが、治療薬の中には病気そのものを治すのではなく、「症状を取る」だけのお薬があります。あまりに症状が強く出ると体力を消耗したり、病気に対する抵抗力を弱めたりするため、「症状を取る」だけのお薬も重要であり、鎮痛薬もその一つなのです。では、何故乱用が問題になるのでしょうか?

多くの人は「症状が無い」事と「健康である(病気でない)」事を混同してしまっているのです。もちろん「病気が治れば症状が無くなる」のは当たり前ですが、「症状が無いから病気でない」とはいえないのです。

癌などは「痛み」という症状が無いため、発症初期での発見が難しくなっていますし、病気と少しずれるかもしれませんが、症状を出さずに潜んでいる「薬剤耐性菌」も怖いものなのです。

症状が取れたからといって病気に対して根本的な治療をしないのは、「症状ない怖い病気」を作り出してしまう結果になることは容易に想像出来ると思います。

最近、我が国においても「医療用成分」を謳い文句にした一般市販薬が増えてきていますが、ご自身の病態(病気の状態)を考えながら、適切に使用する責任と賢明さが患者さんに求められる大変な時代になってきたと感じています。


健康危機-3 薬剤耐性菌②

ここ1-2日大変冷え込んでいて、大阪でも雪になるそうです。冬本番といった感じですね。年末までなりを潜めていたインフルエンザが、急激に流行しているようですので、うがいや手洗いをこまめにして予防にお気を付けくださいね。

さて、今回は薬剤耐性菌についてどの様なことを気を付ける必要があるのか書きたいと思います。

前回(薬剤耐性菌①)も書きましたが、恐れられている薬剤耐性菌ですが、病原体(病気を起こす原因)としてはそれ程強いわけでは無いのです。そのため、薬剤耐性菌があるからといって必ず症状が出るとは限らないのです。

この「症状が出ない」ことは一見良いように思いますが、免疫力が低下するなど体の状態が悪くなった時に、隠れていた薬剤耐性菌が暴れ出し、回復の手助けをしてくれる薬剤も効かずに重症化する可能性があるのです。本当に怖いことですね。

体の中に薬剤耐性菌を生じにくくさせるためには、必要な抗生物質の適切な量を適切な期間きっちりと服用し、病原体を完全に押さえ込むのが有効であることが判っています。

家に余っていた抗生物質を飲んだり、症状が無くなったからといって抗生物質を自己中断することは「適切な量を適切な期間」飲めていない可能性があるので、避けた方がよいといえます。

新しい薬剤と薬剤耐性菌の出現は、以前からイタチごっこのように繰り返されています。その中で薬剤耐性菌にやられないためには、安易に抗生物質を使わないようにして、必要な時には「適切な量を適切な期間」きっちり服用することが、大切なのです。


健康危機-2 薬剤耐性菌①

今回から、昨年12月17日にアメリカ疾病対策センター(CDC)が発表した「2014年の健康危機の重要課題を5項目」のそれぞれの項目について書いてみたいと思います。

今回は「①薬剤耐性菌」についてです。

薬剤耐性菌といえば、最近、北海道を中心に治療薬の「タミフル」が効かないインフルエンザウイルスの感染が広がっているという報道がなされたことが記憶に新しいですね。しかし、ウィルスや細菌(ばい菌)がどの様にして薬に耐性(薬が効かなくなること)を得るのかご存じでしょうか?

「突然変異で薬に負けない強力なウィルスや細菌が現れた。」と理解されている方が少なからず居られるのではないでしょうか?

確かにその様なことは希にあるのかもしれませんが、一般的に「耐性菌 = 病原性が強い」という事はないのです。薬剤耐性菌に薬が効かなくなるのは、「強い」からではなく、薬剤が効きにくくなる蛋白質を作ったり、薬剤が攻撃する部分の形を変えたりしているからなのです。

本来、作らなくていい蛋白質を作ったり、形を変えたりしているので、耐性菌は歪な状態にあるのです。そのため、分裂する速度が遅くなったり、感染力が弱くなったりすることもあるのです。

しかし、薬による治療で大流行が抑えられたり死亡率が下がっていたものが、薬剤耐性菌では薬の無かった状態に戻ってしまうのです。つまり、頼れるのは自身の抵抗力(免疫力)だけになり、弱い場合には薬剤耐性菌にやられてしまうのです。

薬による治療を行っている限り、薬剤耐性菌の問題はついて回るのですが、どの様なことに気を付けておくべきか次回のブログで書きたいと思います。

 


健康危機-1

最近、咳が続く風邪・胃腸症状を伴う風邪・インフルエンザで受診される方が増えております。とりわけ高熱でなくてもインフルエンザ抗原が陽性となる場合も見受けられますので、全身倦怠感を伴う急な発熱がある場合には、医療機関を受診して検査された方が良いかもしれません。

さて、昨年12月17日にアメリカ疾病対策センター(CDC)が2014年の健康危機の重要課題を5項目発表しました。

①薬剤耐性菌
②処方鎮痛薬の乱用および過剰使用
③感性症の世界的拡大に備えるためのグローバルヘルスの充実
④10歳前後の少年少女に対するヒトパピローマウィルス(HPV)ワクチン接種
の啓発と接種率の向上
⑤世界でのポリオ根絶

中身をみてみると、重要課題の5項目の内4項目が、感染症・ワクチンに関係するものです。循環器医としては生活習慣病関連が全く入っていないことに、少し寂しさを感じると同時にここに挙げられている重要課題について整理・勉強する必要があると感じました。

「感染症」というと日本ではマイナーなイメージもあるのですが、決してそうとは言い切れない実情があるのです。私の文章力で何処までお伝えできるか判りませんが、よろしくお願いいたします。

次回からのブログで、それぞれの項目について書いていきたいと思います。

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