カテゴリー別アーカイブ: 薬剤

日医工258品目販売中止

今週末から来週初めにかけて大阪は梅雨明けのようですが、どんどん蒸し暑くなりますね。これから1ヶ月半、暑さが続きますので夏バテ・熱中症にお気をつけください。

さて、経営破綻したジェネリック医薬品大手の日医工が、採算の取れていなかった258品目の製造・販売を中止することを決めたそうです。

医薬品の流通が混乱している中色々と書きたいこともあるのですが、一般ジェネリックでなく「オーソライズドジェネリック」にすれば多くの問題が解決すると思います。(興味ある方は調べてみてください。)

自分たちの都合でジェネリック薬品の販売を中止するメーカーの医薬品を使うことは、間接的に医薬品の流通阻害に手を貸すことになるといっても良いかもしれません。

より良い医療を実現するためには皆さんの厳しい目が必要です。

.


コロナ治療薬5万1850円

本日は朝から気温が高く、初夏のような天気になるそうです。関西では例年お水取りの頃に冷え込みがあるので、来週は要注意ですね。

さて前回に続いてコロナ治療薬の話です。

塩野義製薬のコロナ治療薬「ゾコーバ」ですが、保険適用となり1回の治療(5日間)の薬価が5万1850円に決まったそうです。

軽症から使える薬なのですが、これだけ高価だとあまり症状の強くない方や、重症化リスクの少ない方には投薬しにくいですね。

後遺症のリスクを45%下げるとの報告もあるのですが・・・・・・・高価な割に効果が・・・・・悩ましいですね。

売り上げが増えれば、薬価が3分の一になるそうなので、ひとまず様子見でしょうかねぇ。

しばらくの間は、公費で自己負担はなしとのことです。

.


コロナ経口治療薬

本日は3月3日桃の節句ですね。当医院でも手作りの可愛いお雛様を受付横に飾っております。

さて経口のコロナ治療薬ですが、家庭内感染の予防効果が認められなかったとの記事がありましたので、紹介します。

(以下引用)

[21日 ロイター] – 米製薬大手メルクは21日、新型コロナ感染症の経口抗ウイルス薬「ラゲブリオ」(一般名モルヌピラビル)について、後期臨床試験で感染者と同居する人々の感染リスクを減らす主要目標を達成できなかったと明らかにした。

約1500人が参加した同試験で、ラゲブリオを14日間服用した被験者は、プラセボ(偽薬)群と比べて23.6%コロナ感染症を発症しにくかった。

米製薬大手ファイザーの新型コロナ経口薬「パクスロビド」も家庭内感染を予防する効果が見られなかった。

(引用ここまで)

治験のデータでは、投薬後にウィルス量は有意に減っているはずなのですが・・・・・・家庭内感染を抑える効果は期待できないようです。

発熱などが辛い人には投薬するのは良いとして、軽症の方にはどうするのか悩ましいところです。

風邪症状を抑えるだけの従来の感冒薬は、病態悪化を示すサインが出現するのを遅らせてしまい、リスクを上げる可能性があるのです。ウィルス量を減らすコロナ治療薬に期待していたのですが・・・・・今一つですね。

「コロナ治療薬よお前もか!!」

.


世界一高額の新薬

11月も後半なのに、昼間は上着を脱ぐ程暖かいですね。医院の暖房もまだ入れていないので、何だか感が狂ってしまいます。

さて、今回は「世界で最も高価な新薬」の話題についてです。

米食品医薬品局(FDA)は22日、血友病治療の新薬「Hemgenix」を承認したのですが、かかる新薬に驚きの価格が付きました。

一体いくらするのか、少し考えてみてください。

・・・・・・・・・・・・

一回の使用で350万ドル(4億8600万円)なのだそうです。

血友病Bに対する治療薬なのですが、従来の治療では定期的に血液製剤の点滴が必要だったのですが、この薬は1回点滴するだけで良いとのことです。

大変高価な薬ですが、日本でも使える様になるのでしょうか?

.


オーバードーズ(過剰摂取)

本日で9月も最終日になりましたが、昼間は気温が上昇し夏日の予想のところも多いようです。朝晩の気温は順調に低下していますので、温度変化にお気をつけください。

さて、一時社会問題となっていた「脱法ドラッグ」などの取り締まりが厳しくなり、あまり話題に上がらなくなってきたのですが、新たにオーバードーズ(過剰摂取)が若者の間で社会問題となってきているそうです。

オーバードーズとは合法的に手に入る市販薬を、いわゆる「ハイ」な気分になるために決められた量を超えて摂取することだそうです。そもそも薬の量は健康に影響が出ないように定められているため、オーバードーズが危険なことはいうまでもないでしょう。

市販されている薬には依存性がほとんどありませんが、一度「ハイ」な気分を経験すると習慣性(精神的依存性)に苦しむ人がいるのです。

本来健康を守るための薬が、人を病気にしてしまうのはなんともやるせ無い気持ちになりますね。

.


薬の出荷調整

8月を目前に、酷暑の気配が忍び寄って来ましたね。夜も、30度近くある熱帯夜が続いていますし、適切な温度・湿度管理をして体調を整え、コロナに罹らないようにお気をつけください。

さて、新型コロナウィルス感染時の発熱に使われるアセトアミノフェンですが、急激な需要の高まりに供給が追いつかず、出荷調整が行われ手に入りにくくなるとの報道がなされています。

アセトアミノフェンなどの解熱剤は治療薬ではなく症状の緩和薬であり、ひどい症状でなければ飲む必要のない場合も多く、平たく言えば「楽するための薬」といえるでしょう。

「大問題だ!」と言わんばかりの報道ですが、数年前から生命維持に必要な「治療薬」の出荷調整が頻回に行われており、最適な薬剤が投薬できない事態が続いているのですが・・・・・

大切な「治療薬」が出荷調整になるのはジェネリック医薬品を導入した行政の失策なのですが、そこは「忖度」からか声高には報道していないような気がしております。

こんなことで大丈夫なのでしょうか?

.


ジェネリック医薬品に発がん物質(再び)!?

10月になりましたが、まだまだ暑い日が続きますね。こんな暑いのに、この15日から当医院では「インフルエンザワクチン」の予約が始まります。(なんだか変な気分です。)また、12月の看護の日には予防接種がお得に打てるように準備していると報告を受けました。チェックしてみてくださいね。

さて、今年2月のブログにも書いたばかりのですが、またジェネリック医薬品に発がん物質が含まれていたとのことです。

『海外で原薬から微量の発がん性物質「N-ニトロソジメチルアミン(NDMA)」が検出されたため。』とのニュースがありました。

前回の時も海外で見つかって欧州に7ヶ月も遅れて自主回収になっているのですが、今回も海外で見つかっており発がん物質も前回と同じNDMAです。前回大変なことをしてしまったとの認識があれば、他の成分ならいざ知らず我が国でNDMAの混入を調べているはずです。また、海外で見つかってからどれぐらいで自主回収されたのか気になるところです。

ジェネリック業界の信頼を揺るがす危機的な出来事がこの短期間に2回も起こっており、それを調べることを怠っているように見えてしまいます。

呆れることを通り越して、恐ろしく思います。

.


喘息の薬で抗がん剤の副作用軽減

9月に入ったのに、季節外れの蒸し暑さが続いていますね。それと局地的な豪雨が其処彼処でみられています。以前の日本の気候から変わってしまったみたいですね。

九州大大学院薬学研究院などの研究グループが、抗がん剤の副作用を喘息の薬が軽減すると発表がありました。

抗がん剤の副作用で心筋にダメージを受け心不全になる「薬剤性心筋症」を、国立循環器病センターで診療していた時に幾人も診療していたので、興味を持ちました。

がん治療のため「ドキソルビシン」と「シスプラチン」を多めに使用する必要があると、筋肉の障害が起こり10年以上経ってから心不全になることがあるのです。この時心臓では心筋が障害されて少なくなり、代わりに収縮しない線維組織が増えており収縮力が低下して心不全になるのです。

今回、喘息の薬として使われている「イブジラスト」が、抗がん剤投薬時の筋肉を障害する物質を抑制することがわかったとのことです。

既に使われている薬なので安全性も高く、早期の実用が期待されているそうです。

.


ジェネリック医薬品に発がん物質?!

以前から危惧していたことが実際に起きてしまいました。ジェネリック医薬品に発がん物質が含まれていたとの報道がなされています。

『薬の原材料に、発がん性があるとされる物質「N―ニトロソジメチルアミン」が混入しているとして、欧州で7月上旬から自主回収が始まったため、2月6日から国内での自主回収が始まった。』とのこと。

ジェネリック医薬品は「有効成分」が同じだけで、有効性や安全性が担保できていないので、当医院では極力使用を避けていたのですが・・・・・・発がん性物質とは!

しかも欧州に自主回収が遅れること7ヶ月!!!! とても安心して使えません。

そんな当医院でも積極的に使用しているジェネリック医薬品があります。それは、一般のジェネリックとは区別される「オーソライズドジェネリック(AG)医薬品」です。

簡単に説明すると先発品とほぼ同一成分(有効成分以外も)で作ることを認められた薬です。

皆さんも飲まれている薬が先発品または「オーソライズドジェネリック(AG)医薬品」か、確かめてみませんか?

.


デジタル錠剤

気温の低下と乾燥でインフルエンザが流行しやすい季節になってきました。ワクチンの供給量が極端に少なく、予防接種を受けていない方も多くうがい・手洗いを例年以上に心がけることが必要ですね。

さて、米食品医薬品局(FDA)が「デジタル錠剤」を承認したとの記事をネット上で見つけました。「デジタル錠剤」とはいかなるものか不思議に思って読んでみました。

「デジタル錠剤」は通常の薬の中にごく小さなセンサーを入れることにより、その薬が処方通りきちんと服薬されたか確認できる薬剤だとのことです。(薬を飲むと胃液に反応して、センサーが信号を出すのだそうです。)

向精神薬など、きちんと服薬することが重要な薬剤に使われるとのことです。飲み込まれたセンサーはどうなるかといえば、そのまま消化されずに排泄されるとのことです。

本当、ハイテクですね。

.